大羊居の名古屋帯「南蛮蒔絵」

第二千七百二十六回目の作品として大羊居の名古屋帯「南蛮蒔絵」を紹介します。

南蛮蒔絵あるいは南蛮漆器といわれるものは、蒔絵または螺鈿ですから、本来は黒地に金のみあるいは青白く光る貝のみです。それを大羊居の友禅らしく華麗な色彩に変換しています。それぞれの箱は南蛮蒔絵の作品として実在するものなのでしょうか。

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いちばん上の写真はお太鼓です。手前は人物文、奥は草花文なので、2つの箱を描いた器物模様でありながら、実質的には人物と草花の文様で友禅意匠らしい取り合わせになっています。

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写真2番目は円筒形の方の容器に近接してみました。鎌倉の東慶寺に所蔵されている「葡萄蒔絵螺鈿聖餅箱」やサントリー美術館の「草花蒔絵螺鈿聖餅箱」に似ているように思います。用途は、オスチヤといわれる聖餐式に用いるパンを入れるものですから、東慶寺についてはそれがお寺に伝来しているのは不思議ですね。

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写真3番目は箱型の入れ物の近接です。輸出用の南蛮漆器といえば洋櫃のイメージですが、それは蓋が丸く模様は余白のない草花文ですから、これとは違います。ぜひこの箱の元になった作品を探してみたいですね(もちろんネット上で)。輸出されて現在ヨーロッパにある蒔絵の箱には、教会で書見台などとして使われたものは余白のない草花文ですが、ベルサイユ宮殿などには普通の日本の風物を描いたものもありますね。この作品の南蛮人は刀を2本差していたり、軍配を持っていたりするので、案外早く見つかるかもしれません。
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[ 2014/05/22 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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