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花也の付下げ「丸華文にシダ」の帯合わせ

第二千七百十二回目は花也の付下げ「丸華文にシダ」の帯合わせです。

今回は同じ花也の同じテーマの付下げのうち、模様がよく整理されたさっぱりしたシダ文様と、カオス的に模様が絡み合ったシダ文様を比較しながら紹介しています。両者について帯合わせに違いが出るかといえば、私は同じだと思います。テーマも同じですし、色も同じですものね。

帯合わせに注意しなければいけないことといえば、着物のメインテーマが丸華文ですから、帯は唐花文様を避けた方がいいということでしょう。着物には丸華文が5つか6つあるわけですから、帯が唐花文様であれば、全身の姿としては丸華文が1つ増えて6つか7つあるというだけになってしまいますものね。

今日は、先に紹介したさっぱりしたシダ模様の付下げで帯合わせをしますが、着物が丸華文とシダの曲線ですから、帯は直線模様にしてみます。

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いちばん上の写真は、池口定男の「佐波理綴」のごく初期の作品を合わせてみました。御簾をテーマにしたもので、帯のたれの部分を見ると、風でわずかにめくれていて御簾と分るという意匠です。たれを見なければ、縦縞の模様にすぎません。

花也のこの付下げは、丸華文に抑制された彩色がある以外、白揚げですから、白、グレー、金銀のみの無彩色の帯で、色数を抑制した帯合わせにすれば、森田空美風で都会的ですよね。

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写真2番目は龍村の「海老殻間道手」を合わせてみました。名物裂の一分野である間道です。「縞」と言ってしまえば粋でカジュアルな感じがしますが、「名物裂の間道」と思えば龍村ブランドに相応しい格のある意匠に見えてきます。龍村はいろいろな間道を再現していて、「日野間道」「青木間道」などがありますが、すべて高島屋および三越限定となっており、唯一自由に取引できる間道はこれだけです。自由と言っても注文しなければ滅多に出会うことはありませんが。

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写真3番目はすでに廃業した織屋である華陽の綴の袋帯を合わせてみました。笛と笛袋をテーマにしたものです。笛と笛袋を水平に並べた意匠で、実質的な直線の横段模様ということで、丸華文に対比させてみました。

直線の意匠で硬くなりがちですが、笛袋に織りだされているという設定の鹿のかわいさが硬さを緩和しています。鹿を取り込むことは図案家のみごとな配慮だと思います。

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写真4番目はすでに廃業した織屋のブランド「御門綴」の袋帯を合わせてみました。古代から明代まで織り続けられ、中国文化を代表するようなデザインである「蜀江錦」をテーマにしたものです。強い構成力を持つガチっとしたデザインで、皇帝が支配する社会構造を思わせます。

丸華文も元は中国古代の唐花文様ですから、じつは蜀江錦と起源は同じということになります。しかし、蜀江錦の唐花文はガチっと角ばった構成の中に閉じ込められているのに対し、丸華文は日本的な流れるような植物文様に囲まれていて、対照的です。その辺を味わっていただくような帯合わせです。
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[ 2014/05/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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