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花也の付下げ

第二千七百八回目の作品として花也の付下げを紹介します。

タイトルは「丸華文にシダ」です。シダ(羊歯)というのは日蔭に生える陰気な植物ですが、1年中枯れないということで永続性につながり、文様としては縁起が良いことになっています。縁起の良い羊歯と華文の組み合わせた着物ということですね。

この着物に描かれた羊歯には、線状の葉と幅がある葉の2種類が描かれています。対照的な2種類の葉が描かれているためにリズムが生まれて模様として成り立っているわけですが、そこが羊歯という植物の便利なところなのです。一般的に「シダ類」などといいますが、このばあいの「類」は一般語であって科学的な分類ではありません。科学的な分類はあくまで「界・門・綱・目・科・属」ですね。シダ類というのは、じつは門にまたがる大きなグループなのです。だから葉の形もさまざまであり、下絵師はシダの図案を考える時は、葉の形を都合よく選べるのです。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。オクミからスタートしたシダは斜めに流れるように降りて行きます。その間に華文は4つですね。付下げならばオクミは1つでも良いので、ちょっと豪華ですね。斜めに流れるシダの枝に沿って描かれたので、4つになったのでしょう。

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写真2番目は後姿です。マエミからつながってきたシダの枝がそのまま流れるように斜めにつながっています。後姿と言っても背中心を越えない部分に華文が1つだけです。背中心を越えると枝は先細りになってあっさり終わっています。普通の付下げであれば、背中心を越えた辺りでもう1度上へ盛り上がって、そこにもう2つぐらい華文があるものです。

前姿に重心を置き、後姿はあっさりという模様配置ですね。このタイプの模様配置のメリットは、帯合わせが楽ということです。帯はお太鼓すなわち後姿にメインの模様がありますから、着物は後姿が主張しなければ、両者が競合しにくいのです。

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写真3番目は袖です。メインの意匠と同じように、斜めにあっさりとしています。

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写真4番目は胸です。ここも斜めにあっさりとしています。胸や袖が、メインの模様と同じように斜めに流れているために、全体の印象としてすっきりしているのです。模様の量自体は少なくはないので、豪華とすっきりが両立していますね。
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[ 2014/05/04 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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