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大羊居の訪問着「石橋」の帯合わせ

第二千四百六十六回目は、大羊居の訪問着「石橋」の帯合わせです。

先日の大羊居の訪問着「石橋」の帯合わせを考えてみました。舞台衣装のようにも見えてしまう訪問着ですが、舞台衣装のように見えない帯合わせ、ということを目標にしてみます。

有名な能の演目をテーマにした着物ということで、意味のある帯合わせをしたくなってしまいます。しかしながら、ここではあえて意味を無視した帯合わせをします。石橋、獅子、牡丹など関連したモチーフで合わせてしまうと、ますます舞台衣装のようになってしまいそうな気がしますので。

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いちばん上の写真は、捨松の「ヴィクトリア唐花文」というタイトルの袋帯を合わせてみました。「帯屋捨松」のロゴのない手織りの帯(当時は日本製でしょう)です。ヴィクトリア朝時代のデザインに取材したものでしょう、着物に負けない豪華さを持ちながら意味的につながらないものを選んでみました。

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写真2番目は、捨松の「桃山立沸文」というタイトルの袋帯を合わせてみました。「帯屋捨松」のロゴのない手織りの帯(当時は日本製でしょう)です。オリジナルは桃山時代の唐織の能衣装です。着物の意匠には直接関係ないですが、能つながりで微妙な関係があります。

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写真3番目は、捨松の「帯屋捨松」のロゴのある標準的な袋帯を合わせてみました。選んだ理由は地色の青で、着物に描かれた急流の青と連続し、帯がなにげに着物に溶け込んでいくような帯合わせを考えてみました。

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写真4番目は、大庭の袋帯を合わせてみました。たぶん昭和63年ごろの古いものです。大庭の袋帯は、かつて最高級の引き箔・手織りの帯として知られていましたが、近年ではネットで安く売られているイメージが強いです。この帯はみんながあこがれた時代の品質のものですが、今回選んだ理由は上と同じく地色です。急流と同じ青系にすることで、なにげに溶け込んでいくようにしてみました。

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写真5番目は、太西勇の袋帯を合わせてみました。名物裂の有栖川錦の龍文に取材したものです。龍がモチーフということで、織られたのはおそらく明代の中国でしょう。「石橋」は舞台が中国ということで、緩い関連性を求めてみました。

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写真6番目は、すでに販売しているもので、帯合わせはできないので参考図版なのですが、狩野永徳の唐獅子に取材した池口平八の袋帯です。

「石橋」でありながら、主役の獅子が描かれていないので、帯で付け加えたものです。着物の意匠で足りないものを帯で補強するというのは、帯合わせの極意です。たとえば、早春の梅の着物に対し松の帯を合わせて、竹のバッグを持ち、松竹梅にするような方法ですね。

この場合は獅子の帯を合わせることで能の演目としての石橋が完成しますが、どうでしょうか。大羊居があえて描かなかったものをユーザーが加えて良いのか。作家が行間を読んでほしくてあえて書かなかった言葉を、装丁家が表紙に書いてしまった気もします。
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[ 2013/09/02 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(2)

揃いすぎると・・・

いつも眼福なきものや帯、
そして本当にきものや帯を知っておられる方の文章を
楽しみに拝見しています。

さて、「松竹梅」などと揃いすぎると
野暮らしいですよ。
揃いすぎないのがいいのだそうです。
いかが思われますか。
[ 2013/09/02 21:32 ] [ 編集 ]

おしゃれは作為や努力がかっこ悪いのでは

一般社会では、一生懸命努力した人は称賛されるべきですが、おしゃれの世界では、努力や作為が表に出るとかっこ悪いのかもしれません。本当は努力していても、さりげないという演出をして、作為であっても自然体を装った方が良いのかもしれませんね。揃いすぎると自然体ではなくなってしまうのでおかしいのかな。しかしながら、他人が無茶なチャレンジをするのを傍から見るのは面白いものです。帯と着物の関係が、1つの和歌の上の句と下の句をあらわすような組み合わせを誰かやってほしいですね。くれぐれも自分ではやらないように。
[ 2013/09/04 20:31 ] [ 編集 ]

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