千切屋治兵衛(倉部)の付下げの帯合わせ

第二千六百九十九回目は、千切屋治兵衛(倉部)の付下げの帯合わせです。

昨日は更紗の着物に対し更紗(または唐草の曲線模様)の着物を合わせるというテーマでした。私は着物の柄と帯の柄の関係は、共通すぎても良くないし反対すぎても良くないと思っていますので、失敗例を示すつもりだったのですが、実際に帯合わせをしてみると、特に違和感はありませんね。たいていの方にとって許容範囲ではないかと思います。

今日の帯合わせの方針は、着物の更紗というテーマを帯でさらに強めるという帯合わせです。更紗というのは植物文ですから、帯は実際に更紗という文様を生んだ国に住む動物や人物を合わせます。植物と動物を並べれば動物の方がインパクトが強いですから、面積の大きい着物が植物、面積の小さい帯が動物ということで、バランスが取れるのではないでしょうか。

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いちばん上の写真は龍村の「西域舞踊錦」というタイトルの袋帯を合わせてみました。更紗文様とその地の人物という組み合わせです。元絵は西域のある遺跡から出土した壁画だろうと思います。西域は更紗の産地ではないですから、あまり正確ではありませんが、普通の日本人にとってはエキゾチックなイメージで統一されて見えるのではないでしょうか。

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写真2番目は太西勇の「銀平脱合子」というタイトルの袋帯を合わせてみました。正倉院にある碁石の入れ物で、象と鸚哥の2つがあります。試合をする時は象さんチームと鸚哥チームということで、古代人もカワイイのセンスがあるようですね。「銀平脱」は技法の名前なのですが、不合理なぐらい面倒で、古代には職人の人生を吸い尽くしてしまうような技法がありますね。更紗を生んだ国の動物といえば、象と鸚哥、模範解答ではないでしょうか。

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写真3番目は龍村の「木画狩猟文」というタイトルの名古屋帯を合わせてみました。韃靼人の狩猟風景というテーマは日本人に愛され、近世まで多くの作例がありますが、その最初のものがこの帯の元絵である正倉院の木画です。木画とは異なる種類の木を使った象嵌ですね。韃靼人は更紗の国の住人ではないですが、普通の日本人にとっては区別がつかないだろうということで合わせてみました。

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写真4番目は大松(大彦、大羊居の本家)の友禅染の袋帯を合わせてみました。銀系脱合子の鸚哥の方に想を得て創られた意匠かもしれません。大松の作品は、大彦や大羊居を都会的に洗練させた感じがします(大彦や大羊居はあくまで芸術的)。色彩感覚が洋風でモダンなのが魅力ですが、鸚哥などエキゾチックなモチーフで本領を発揮するようですね。
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[ 2014/04/25 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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