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紫紘の袋帯の帯合わせ

第二千六百九十五回目は、紫紘の袋帯の帯合わせです。

ウィリアムモリスの帯合わせは、もうこれで最後にしようと思いますが、今回じつは膨大な量の写真を撮っていて(合いやすかったというよりも、それだけ悩みが大きかったということですね。)、使い残しの画像がたくさんあるので、今日はそのうち私が気に入っていたものを紹介します。

フォーマル方向の帯合わせということで付下げに合わせてみます。今回の帯合わせでも小紋のときと同じように、模様の種類や和様の別、色というような属性を共通にすべきか、反対にすべきかということを意識しています。

今回も両者の属性が共通でも反対でもない関係、自然な無関係が作れるでしょうか。

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いちばん上の写真は、小溝一夫さんの版染の着尺を合わせてみました。小溝一夫さんはすでに故人ですが日展に入選していた染織作家です。版染とは、木などで版を彫りそれを生地の上から判子のように押したり、版の上に生地を置いて上からバレンで擦ったりして染めるものです。小溝さんは版の上に生地を置いて擦っていたそうです。

型紙を使う型染より原始的な感じもしますし、型の凹部で染める型染にたいし、版染は型の凸部で染めるので、反対とも言えますね。実際に作品を見ると、原始的どころか、型染よりも輪郭がくっきりしていて精緻に染められるということがわかります。どんな技法にも上手い人や下手な人がいるので、素朴な技法であっても日展で入選しているような人は、その分野の頂点にいて作品は洗練されているものなのだと思います。

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写真2番目は新田機業の紅花紬を合わせてみました。紅花というのは紅色のイメージですが、実際にはいろいろな色があります。それは紅花の花はオレンジですが、最初は水溶性の黄色の染料が出て、その後紅色の染料が出るからです。この工程で得られた黄色と紅色に藍染を重ねると色の三原色になり、理論上どんな色も作れるということなのです。

この作品は紅色の縞をグラデーションにして優しく演出して着易い着物になっています。私は気に入っていますが、今回は林織物の本塩沢を優先したため「使い残し」になりました。

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写真3番目は大城広四郎さんの琉球絣(南風原の紬)を合わせてみました。格子(沖縄では格子の模様をグバン=碁盤といいます)の交わる部分を絣にした意匠です。福木で染められた辛子色と帯の青の対比がきれいです。とても良い帯合わせですが、格子ならばどんな帯にも合うので試すまでもな医ということで掲載しませんでした。

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写真4番目は野口の着尺を合わせてみました。横段の着尺は普通では大胆ということになりますが、野口では普通にあります。今回も何種類か横段の着尺を合わせていて、すべて合いました。代表として紫地の干菓子を載せたので、他の例は載せませんでしたが、反対色の例としてオレンジを載せておきます。
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[ 2014/04/21 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(4)

難しいですね。

帯合わせ楽しく拝見しましたが、正直ドンピシャ!と言うものは
なかったような気がします。これは白木屋様のせいではなくアーツ&クラフツの特異性だと思います。
アーツ&クラフツと言うと「一般人向けに、職人技を」と標榜していますが
実際はモリスにしてもバーン・ジョーンズにしてもケンブリッジの
エリート神学生で、作る物も結局は、高踏的、まあ貴族的なのですよね。
この帯も周りにフリンジをつけてクッションと想像して下さい。
どういった館、ソファが似合うかは歴然としています。楢材や無垢材のベンチに合うと言っても
かなりデザインの限られた、質の高い家具のはずです。
しかもこの帯は地色が白ですから余計に華やかです。
藤井絞りの訪問着が一番合っていたような・・・・けして素朴な柄ではないですね。
この辺りの矛盾はかなり難しいと思います。
[ 2014/04/21 18:35 ] [ 編集 ]

かなり悩みます

本来であれば、エキゾチック系の曲線模様というのは、季節もなく和様の別もなく、いちばん合いやすいモチーフのはずなのです。その分野でいちばん成功したのは捨松で、便利でお洒落で高級感もあるのですが、成功しすぎてネットで出回り過ぎたのが失敗ですね。
さてこの紫紘のモリスシリーズですが、紫紘さんとしては今後も継続していくのでしょう。源氏物語絵巻のイメージが強すぎる同社にとっては意義あることと思います。だからここで着物に合わせづらいと言ってしまっては商売の邪魔をしてしまうから言いたくないところです。
しかしながら、もう少し深く考えてみて、捨松の唯一の欠点が成功しすぎてネットで気軽の買えすぎることと思えば、適度に歯ごたえがあって、帯合わせに多少知恵が必要な方が、所有するものにとっては悦びがあるかなあという気がします。
[ 2014/04/24 14:03 ] [ 編集 ]

花也はいかがでしょうか?

そうですね・・・着物との合わせが難しいと言っては身も蓋もありません。
むしろ私は花也のピンク地に縦竹模様(?)の連続柄のような物に何故合わせないのか
不思議でした。花也の無地感覚ですが、大変繊細な友禅と合わせれば
今までにないとてもお洒落かつ、高級感のある組み合わせにあなるような気が致します。
ただ地が白は難しいですし、手持ちするとしても色褪せやシミに気を使いますから
できたら、薄く地も一色掛けて下されば、アーツ&クラフツの特異性を考えなくても
良い帯になると思うのですが・・・・如何でしょうか?
方向性としては大歓迎なのですが・・・・。
[ 2014/04/24 16:29 ] [ 編集 ]

お気遣いいただきありがとうございます

更紗や唐草のような曲線の植物文様は、着物でも帯でも使いやすいはずですが、おっしゃる通りドンピシャ!感が少ない感じでした。その原因がアーツ&クラフツの特異性といった宿命的なものなのか、地色が白でなければ済むものなのか、どちらもあるような気がします。宿命的な性質と思っても地色を変えたら雰囲気があっさり変わってしまった、なんてことも実際にはありそうですものね。紫紘さんにしてみれば、今後も商品展開していくシリーズですから、帯合わせしにくいなんて言えません、その点をお気遣いいただいて追加のコメントを書いてくださったのですね、ありがとうございます。
ご指摘の花也のピンク地に縦竹模様の連続柄というのは、当社の在庫にありませんので、残念ながら試すことはできません。また思いついた時に教えてください。
[ 2014/04/27 01:53 ] [ 編集 ]

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