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紫紘の袋帯

第二千六百九十回目の作品は、紫紘の袋帯を紹介します。

紫紘で現在進行中の「ウィリアムモリスシリーズ」の1本です。他にも魅力的なものも多く、紫紘のフェイスブックの写真を丹念に見ていくとそれらしきものに出会えます。https://www.facebook.com/shiko.kyoto

タイトルは「葡萄摘み」です。ウィリアムモリスが美術史に残る他の芸術家と違うのは、内装のファブリックや壁紙として普通に売られている現役の商品であることですね。回りを見ると、うちでも掛け布団カバーとバスタオルがモリスでした。

現在まで継続している理由は、モリス商会が破産した後、サンダーソンという会社がモリスの商標や壁紙の版木などを買い取ったからです。現在のものはもちろん現代の技術によるプリントですが、特注すれば版木によるブロックプリントの壁紙もできるそうです。

いちばん売られているのは鳥がいちごをくわえている「いちご泥棒」だと思いますが、この「葡萄摘み」も曲線模様の草花と一対の鳥の組み合わせのデザインです。

現在普通に販売されているウィリアムモリスのデザインを、わざわざ西陣で商品化するというのは意味があるのかとも思いますが、元がプリントであり現在販売されているものもプリントであるものを、織で表現するわけですから紫紘のシリーズには独自性があるように思います。どの程度の独自性なのか、作品を拡大してみると西陣でしかできないような仕掛けもあってなかなか面白いのです。

IMG_8372.jpg
いちばん上の写真はお太鼓、

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写真2番目は腹文、

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写真3番目はお太鼓の近接、

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写真4番目はもっと近接です。

意匠的に元作品と大きく異なるのは連続性ですね。元作品は壁紙ですから模様は繰り返して連続していきます。特にモリスの壁紙はとても丁寧にプリントされ型継がわからないそうです。

それに対しこの紫紘の作品は、一対の鳥を中心とする1つのユニットで終わっていて、帯のお太鼓の中にお行儀良く収まっています。意地悪く見れば、縮こまっているようにも見えますね。帯には模様がお太鼓をはみ出して一見無駄の見えるものもありますが、それにも模様を縮こまらせないという機能があることを感じます。
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[ 2014/04/16 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(2)

モリスデザイン

アーツ&クラフツ関連のコレクターとしては、なかなか興味深いというか
突っ込みたくなる題材ですね(笑)モリス&マーシャル商会が破綻したとき版木を
買い取ったのはサンダーソンでしたか・・・私はてっきりリバティ商会かと思い込んでいました。
まあ一番有名なStrawberry Thief ーいちご盗人は1883年がオリジナルですから
版権は切れていますでしょう。北村徳斎が「いちご盗人」でオリジナルに色以外はほぼ再現した
出帛紗を作っております。ただこれを買う前にオリジナルのモリスのプリント裂を
手に入れたいのですが、意外にありません。当時の銀器、陶磁器はありますが
オリジナルプリントはなかなかないです。
紫紘のこれからの作品を楽しみにしています。
英国の物、アーツ&クラフツは結構日本人の美意識に合うのではないかと思います。
[ 2014/04/16 18:36 ] [ 編集 ]

北村徳斎知りませんでした

私はお茶をやっていないので、帛紗屋さんに縁が無く北村徳斎を知りませんでした。ホームページを見るといろいろあって面白いですね。私は織物のロットとか考えてしまうのですが、機械で織る場合にはある程度量産しなければなりませんが、それを数十センチに小分けして売るばあい、どういう経営になっているのかなあなどと思ってしまいます。帯で売る龍村よりもさらに綿密な計算が要りそうですね。さて、モリスのオリジナルですが、プリントの裂も壁紙も、私は流通しているところを見たことがありません。相場も知らないのですが市場では高いものなのでしょうか。
[ 2014/04/18 16:41 ] [ 編集 ]

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