野口の経絽の着尺の帯合わせ

第二千六百五十九回目は、野口の経絽の着尺の帯合わせです。

昨日は染めの名古屋帯で合わせてみたので、今日は織の名古屋帯で合わせてみます。

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いちばん上の写真は、龍村の絽の名古屋帯を合わせてみました。タイトルは「彩波」です。読み方はおそらく「いろは」でしょう。今は女の子の名前に使われることが多いですね。

「彩」という字が使われているので、色鮮やかな帯と思ってしまいますが、実物はほとんどは白と銀糸で、色糸は微妙に使われている程度です。「彩波」を検索しても自然現象としては出てこないのですが、「彩雲(さいうん)」というのはあります。岩橋英遠の絵が有名ですが、雲がプリズムのような働きをして雲が虹のような色に見えるのです。

「彩波」というこの帯のテーマは、彩雲のイメージを波に移したのかもしれません。それならば「彩」といっても陽の光が映るだけですから、この帯程度の控えめな配色であるとともに、白と銀で光と透明感を表現しているのも納得です。

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写真2番目は、龍村の絽の名古屋帯を合わせてみました。タイトルは「颯音」です。おそらく「そうおん」と読むのでしょうが、「颯音」というのはキラキラネームにも使われる言葉で、「はやと」「そらと」「はぁと」とか読ませることもあるんですよね。

描かれているのは楓ですが、タイトルから見るテーマは「音」です。楓が落ちる音がする→風が吹いている→涼しい→夏物の模様としてふさわしい、というつながりでしょう。


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写真3番目は、龍村の絽綴の名古屋帯を合わせてみました。上と同じ楓がテーマです。青系と茶系が使われ、派手ではないですが存在感があって地味ということはありません。「彩葉楓」というタイトルなので、制作者の龍村もまた楓の葉の配色に心を砕いたのでしょう。

絽綴は本来、趣味ものの極みで高級品のはずでしたが、近年、安い中国製の氾濫で本来の価値がわかりにくくなっていました。龍村の純粋日本製の絽綴の登場で本物の良さをみんなが思い出してくれると良いと思います。

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写真4番目は、龍村の絽綴の名古屋帯を合わせてみました。タイトルは「芒香文」です。芒もちゃんと香るのです。龍村らしい濃厚な色彩を持つ作品です。私は龍村や大彦(あるいは大羊居)の濃厚な色彩って好きですね。江戸時代以前の伝統よりも明治以後の西洋画の影響を受けた感じが良いです。
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[ 2014/03/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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