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野口の名古屋帯

第二千六百五十四回目の作品は、野口の名古屋帯を紹介します。

ゴム糸目の平凡な名古屋帯です。私はゴム糸目で輪郭を描き内部をきれいな色で彩色した友禅を憎悪しています。そのような様式の作品はみんなに愛される一方、絵葉書のように見えてしまうからです。

なぜ絵葉書が悪いのかといえば、「絵葉書のようだ」というのは美術品をけなす場合の常套句だからです。表面的な美しさだけを追求した通俗なものという意味で、量産品にありがちな特徴ですね。手描きの友禅というのはたいてい数十万円で売らなければならないものですから、100円で買える絵葉書と一緒ではまずいわけです。

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いちばん上の写真はお太鼓、

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写真2番目は腹文、

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写真3番目はお太鼓の近接です。

この作品は、なんでも自由に描けるゴム糸目でありながら、型染に向いていそうな同じモチーフが連続する意匠であり、絵画的要素を抑制しいるといえます。色についても手描きだから自由に染められるのも関わらず、型の数を制限した安い型染のように色数を抑制しています。

それでもじっくりと眺めると、安価な型染とはちがう手描きらしい色の深みや形の微妙な揺らぎがあります。それが無ければ包装紙のデザインになってしまいますね。

作者、あるいは制作を指示した野口は、着物に合わせるという機能に特化した帯としてこの作品を作っています。絵を上手に見せようとか、絵画的に鑑賞してもらおうとか、ものづくりをする者のささやかな希望さえ排除して、着物に合わせるという機能に徹してい
るのです。

私は、作者の驕ったところの全くない謙虚すぎる態度に感心して思わず仕入れてしまいました。値段も謙虚です。

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[ 2014/03/12 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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