野口の紗の付下げの帯合わせ

第二千六百五十二回目は、野口の紗の付下げの帯合わせです。

紗の付下げすなわち夏物のフォーマルですから、合わせる帯は紗または絽の袋帯というのが基本ですね。この帯合わせは先日の「青楓」と同様に厄介です。着物のテーマが単一の植物であるばあい、帯は植物でない方が良いのでしょうか。

「青楓」で試してみた結論では、器物文様なら安泰で、植物文様で合わせようとするならかなり頭を使わないといけないというところでした。そして現実には帯の多くは植物文様なので悩むのです。

今回も安全な帯合わせである器物文様の帯と、失敗かもしれない植物文様の帯の両方を試してみました。

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いちばん上の写真は龍村の「彩簾文」というタイトルの絽の袋帯を合わせてみました。「青楓」の付下げでも試してみた安全な帯合わせです。帯の意匠として「簾」というテーマは意外にも万能ですね。

帯の簾の模様の中に青が多く含まれているためか、色目にも関連性が感じられて「青楓」よりもさらに相性が良いように思えます。菊の葉の明るい青は、反物を解いた瞬間にも人の目を奪いますが、帯合わせも全体の着姿も支配しますね。

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写真2番目は龍村の「古伊万里扇」というタイトルの絽の袋帯を合わせてみました。器物文様であるため植物文様とは干渉しあわないということで安全な帯合わせです。それに加えて、どちらも青の色が綺麗なので、色目があって相性が良いですね。

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写真3番目は織悦の「露すすき」というタイトルの紗の袋帯を合わせてみました。草花文どうしが重なってしまっていますが、芒という華やかさのない植物であるため、なんとなくテーマどうしが干渉しあわないで済んでいる気がします。

他人からすれば、着物の菊の青い葉は強い印象が残っても、帯の模様が何だったかは記憶に残らない気がします。それもまた有効な帯合わせの戦略です。

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写真4番目は織悦の「菊」というタイトルの紗の袋帯を合わせてみました。菊どうしをぶつけてみるということで、これは冒険と言って良い帯合わせですね。もしこの帯合わせが法廷で裁かれて私が弁護士ならば、着物の菊の花が小さくて目立たない一方、帯の菊には茎が無いところから、菊という植物を表現するのに帯が花、着物が茎と葉を分業して1つの絵としてまとまっていると言うでしょう。

野口の明るい青は、織悦の透明感のある青と似ていますね。おかしな理屈を持ち出すより、その方が帯合わせの根拠になるかもしれません。
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[ 2014/03/10 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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