2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11

野口の紗の付下げの細部

第二千六百四十七回目の作品は、昨日の野口の紗の付下げの細部です。

IMG_7257.jpg

IMG_7258.jpg

IMG_7255.jpg
いちばん上から3番目までの写真は各部の近接です。

3つの写真を見比べてみるとどの写真も同じようで、3つ並べたのが無駄だったような気がします。やはり1つのテーマで成り立っている作品というのはこのようなものですね。友禅の着物とテーマの数の関係を考えてみますと、付下げであれば「梅と鶯」というように2つぐらい、訪問着であれば四季の草花に流水に東屋に千鳥に鹿にというように複数のテーマが展開します。

あまり多くのテーマを登場させてしまうとごちゃごちゃして、作者が何を言いたかったのかわからない作品になってしまいます。ごちゃごちゃさせないためには、「取り方」(雪輪や短冊の中に模様を閉じ込めてしまうこと)を使ってそれぞれのテーマを分離して整理してしまえばいいのですが、あまり整理しすぎるとそれぞれのテーマが絡まず展開不足の作品になってしまいます。

中井や大羊居の訪問着を見ていると、一見無関係なテーマが予想外のところで絡んでおり、さらに大きなテーマへと展開しているということがあり、なるほどと感心させられます。そういう作品は展開と整理のバランスも良いのです。

さてこの作品ですが、テーマが1つですから展開もないですが、しかし単調にはならない仕掛けがあります。それは色のバリエーションで、テーマは1つでも色は巧みに整理され展開もしているのです。

たとえば全体で見れば、紅葉していないときの緑の楓で、7,8月の自然な楓の色と思えるのですが、近接で見ると紺や青磁色のような自然ではありえない色も使ってあって、全体の色も緑の濃淡とは言えず結構バラバラです。これらの色が効き色になって調和しすぎない小さくまとまらない役割を果たしているんですね。

また疋田で表現された葉は、1枚すべて疋田ということはなく途中ですべて自然の彩色に切り替わっています。これが反自然すぎない調和の役割をしているのです。すべてが調和しつつ単調にならないための仕掛けですね。

IMG_8182.jpg
写真4番目は生地の拡大です。紗というのは生地の隙間に風が透って涼しいわけですが、風が透るということは光も透るということです。透る光を計算に入れて彩色すべきですから、写真ではきつく見える色彩も着た状態ではちょうど良いのかもしれません。
スポンサーサイト
[ 2014/03/05 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/209-df09aa38