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野口の紗の付下げ

第二千六百四十六回目の作品として、野口の紗の付下げを紹介します。

青楓をテーマにした夏の付下げです。地色は乳白色、染めていない生成りの色ですね。テーマは青楓です。楓は赤が混じると秋物ですが、青楓であれば春物または夏物ということになります。

テーマが1つだけの着物というのは意匠的に優れたものが多いように思います。おそらく純粋な芸術として描かれた絵画に近いからでしょう。問題は、季節が限定されてしまうことですが、夏物ははじめから季節が限定されているので、ワンテーマ物を着るチャンスでもあります。

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いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)、

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写真2番目は後姿、

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写真3番目は袖、

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写真4番目は胸です。

見どころは、緑系だけの楓の葉の中でも黄色~緑~青緑までの色の変化があることでしょう。まさに絵画的な美しさだと思います。しかしながら、わずかながら疋田で表現された楓が混じり、そのためにこれは絵画ではなく京友禅なのだと気づくのです。

小袖の時代から、着物の意匠というのは絵画になりすぎないように発展してきました。明治時代に無線友禅が開発されたわけですが、無線友禅の作者たちは、着物の意匠を西洋の写生画のようにしたいと思っていたのでしょう。

しかし現代の友禅作品の意匠は、自然界にはない糸目という白い輪郭線がある方が主流ですし、普通に疋田表現も混じっています。この付下げのように写生的な美しさを追求しても、やはり写生とは一線を画すのですね。
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[ 2014/03/04 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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