大羊居の訪問着の帯合わせ

第二千六百四十回目は、昨日の大羊居の訪問着の帯合わせです。

大羊居に合わせる帯といえば、とりあえず龍村ですね。大彦・大羊居と龍村は、昔からともに高島屋の最高級品として合同で展示会をしてきた歴史がありますし、今でも「大羊居・龍村展」などしているのですから、この結びつきに逆らうわけにはいきません。とりあえず今日は龍村で合わせてみました。

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いちばん上の写真は、龍村の「騎馬陶楽文」というタイトルの袋帯を合わせてみました。着物が桐に誰ヶ袖という純和風なモチーフであるのに対し、イスラム陶器をモチーフにしたエキゾチック系の帯を合わせています。

このようなモチーフの意味が全く合わない帯合わせを間違いだと感じる人もいますが、反対に意味が合いすぎてモチーフが重複するような帯合わせを野暮と感じる人もいます。理想的なのは、その中間の適度な距離感のある帯合わせなのは言うまでもありません。

全く意味の合わないモチーフを合わせる時のコツは、色目や模様のタッチを合わせることです。意味が合わない分、色やタッチなど別の要素で埋め合わせるのです。この例では、地色はどちらも同じ黒、模様の色目はどちらも極彩色としています。

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写真2番目は龍村の「錦秀遺芳文」というタイトルの袋帯を合わせてみました。鹿がそっくり返っているのが印象的ですが、これは平家納経のうち俵屋宗達が修復した表紙として有名な鹿です。他の織屋であれば、素直に「平家納経」と名付けるのでしょうが、龍村らしく「関心のある人が微妙に感じる程度」のタイトルを付けているんですね。今、ワードで「キンシュウ」と打つと「錦秋」と変換しました。なんとなく安藝の宮島が思い浮かびますよね。

実際に帯合わせをしてみると、写真で見る通り色目がピッタリ合います。普通の意味ではこれがいちばんで今日のベストではないでしょうか。

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写真3番目は「鏡花春秋錦」というタイトルの袋帯を合わせてみました。日本の伝統的な文様である鏡裏文ですね。博物館で見る昔の鏡は、本来の機能よりも装飾工芸としての意味があったのだろうと思わせるぐらい、裏に芸術性の高い加工がしてあります。

それを着物の意匠として取り入れたのが鏡裏文です。金工という分野の工芸として完成したものを、染織という別の工芸が取り入れたわけで、妙な感じがしますが伝統的な意匠ですね。

実際に合わせてみると色目も質感も良く合って、やはり大羊居と龍村はコンビなんだなあと思いますね。

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写真4番目は、「有朋文」というタイトルの袋帯を合わせてみました。鳥獣戯画をテーマにしたものですが、おそらく兎と蛙が友達だ、というような意味のタイトルの付け方で、やはり「関心のある人が微妙に感じる程度」ですね。

洒落感のある袋帯で、このような大作の訪問着にはふさわしくないように思いますが、それでも選んでみたのは黄色の地色です。この大羊居の訪問着には、前姿にも後姿にも黄色い誰ヶ袖が描かれていて、着物の柄の色挿しとして黄色は目立って大胆なのですが、とてもきれいでアイキャッチ効果のあるいわゆる効き色になっています。その黄色効果を拡張してみたのです。




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[ 2014/02/26 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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