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大羊居の訪問着の細部

第二千六百三十九回目の作品は大羊居の訪問着の細部です。

この訪問着は、誰ヶ袖と桐の花の2つのモチーフしかありません。そのために色数も多く模様面積も広いにもかかわらず、東京友禅らしいすっきり感があるのですが、おそらくそれだけでは、「すっきりしてかっこいいけどつまらない」着物になったのではないかと思います。

現実には決してつまらない着物ではないのですが、それは誰ヶ袖模様の中に多様な友禅モチーフが詰まっていて、目を楽しませているからです。さらにその多色で多様な模様は、画面に散らばることなく、誰ヶ袖を容器にしてその中に閉じ込めてあるので、整理されてすっきりしているのです。

このようにして「多様多色」と「すっきり」という相反する要素が両立しているわけですね。しかし誰ヶ袖は小袖(着物)ですから、多様多色な模様があるのは当然で、作者による巧みな意匠ではなく普通の写生とも言えますね。凝った意匠を凝った意匠と見せず自然に見せているわけです。

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いちばん上の写真から写真3番目までは誰ヶ袖を中心とした近接、

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写真4番目は桐の花の近接です。

注目してほしいのは写真4番目。桐の花の茎が細くなって途切れそうになりながらつながっています。糊糸目で地色が黒や濃い色のばあい染料が浸食してくるのです。染料の色、生地、糊の調合によって浸食の度合が違うわけですが、それを勘案しつつ糊糸目を置いていくわけですね。
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[ 2014/02/25 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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