花也の付下げの帯合わせ

第二千六百十二回目の作品として、昨日の花也の付下げの帯合わせです。

どんな帯を合わせるかという前に、この付下げの性質について考えてみるべきだと思います。だれがどんな時に着る着物なのでしょうか。

まず考えられるのは、➀色が無く模様の配置も静的ですから、年配者向けの着物ではないかということですね。次に②白揚げなので江戸文化を引き継いだ粋な着物ではないかとも考えられます。さらに模様配置がⅬ字型ということで、モダンな印象がありますから、都会的な着物とも言えます。

この3つのうちどれかが正解で、他が不正解ということはありません。着物は人が着て初めて完成するものだからです。自分が年配者であるという自覚があれば、年配者らしい帯合わせをしてきれいなおばあちゃんになればいいのです。

というわけで今回も帯合わせをしてみましたが、それで気づいたことは、年配者、粋、都会派の3つが明確に分けられるものではないということです。考えてみれば当たり前で、年配者向けの帯合わせでも都会的でありたいですものね。優れた帯合わせはすべて都会的なはずですし。

今回の帯合わせは、Ⅼ字型と帯を同時に見ていただくということで、帯を変則的な置き方をしています。着た時にこういう風に見えるということはありませんが、イメージとしてとらえていただければ良いと思います。

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いちばん上の写真は、池口定男のごく初期の佐波理綴「御簾」を合わせてみました。色を着物に合わせて全体の無彩色にしたものです。年配者向けと言っても良いですし、都会的と言っても良いですが、森田空美流の無地系の着物と感じる方もいらっしゃると思います。まあ、無彩色パターンは誰でもとりあえず考えますね。

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2番目の写真は、北尾織物の綴の袋帯「道長取り」を合わせてみました。上の合わせ方と同じ発想によるものです。帯にはわずかに色が加わっていますが、やはり色数を増やさないことで、都会的と感じさせる帯合わせです。年配者向けと解釈しても良いですが、若い人が着ても良いですね。ただ、年配者の少し手前ぐらいの中途半端な立場の人は、年寄りに勘違いされるということで嫌がるかもしれません。

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写真3番目は、小機屋の結び目をテーマにした袋帯を合わせてみました。Ⅼ字型の直線的なイメージに対し、結び目の曲線的なイメージをぶつけてみました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「カピタン格子」を合わせてみました。近世のインド渡りの金モールをイメージした織物です。帯の色は無彩色をベースにした上3つと大きく離れて、緑系にしてみました。一方、模様は格子ということで、直線幾何学文路線を守ってみました。
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[ 2014/01/29 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(2)

佐波理綴れ

佐波理綴れの初期はこんなにシンプルで品の良い帯も織っていたのですね。
何となく佐波理=久保田一竹コラボの印象を持っていました。
あの両方華やかというか、着物とも思えないコラボです(お好きな方いたらゴメンナサイ!)
この佐波理との組み合わせは、地味かもしれませんがお洒落ですよね。
ただこの花也の着物は、シンプルに見えますが、誰にでも似合う着物ではないような・・。
個性がないようで、とても個性的で、着る人の知性が出てしまう怖い着物かもしれません。
とても素敵ですが・・・。
[ 2014/01/30 18:30 ] [ 編集 ]

美輪明宏さんもコラボでした

佐波理綴が最初に発表されたとき、久保田一竹の着物に合わせていましたが、それを着ていたのは美輪明宏さんですから、コラボと言えば美輪さんも含めたコラボですから「両方華やか」どころではなく三方華やかでした。写真をお見せしたいところですが、若いころの美輪さんが写っているのでネットに載せると拡散して関係者にご迷惑をおかけする恐れがありますね。
佐波理綴は多色のポリエステルのフィルムを縦横に使った織物で、もし西陣の織屋がつくったものでなく、個人作家がつくったタピスリーであったならば、創作的であると評価されたのではないかと思います。帯としての佐波理綴は派手で振袖専用のようなイメージがありますね。佐波理綴は使いようで、夜のホテルのロビーのような間接照明の下で「幽玄」という言葉がふさわしいような視覚効果を発揮します。私はそういう状況下で初めて佐波理綴の制作意図がわかりました。
[ 2014/01/31 00:24 ] [ 編集 ]

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