FC2ブログ
2018 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312018 09

野口の夏の付下げ「薊」

第四千八十三回目は、野口の夏の付下げ「薊」を紹介します。

薊の花の時期は6月から9月ぐらいまでということなので、夏の前半・後半を意識することなく使えrます。もう少し正確に言うと、アザミというのは、キク科アザミ属の総称で、単にアザミという植物はありません。北半球に広く分布し、種類もいろいろで、九州から北海道まで時期をずらしてどこかで咲いていますから、花期も長いということになり、着物の模様としてはあまり季節を考えないで済むということになります。袷の着物でアザミの模様もありますものね。

IMG_04282.jpg
いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。実際のアザミは、こんなに優美な曲線を描いて生えていません。草原の中でもっと雑草っぽく生えていますよね。また背景に琳派風の優美な流水が描かれていますが、実際のアザミが生えている場所は水辺ではなく、こんなに爽やかではないです。

葉の形だけ見ると、切れ込みのある形が特徴をよくとらえているので、アザミを写生しているように見えますが、実際のアザミの生えている環境とは大きく違い、優美で爽やかな世界に改変されているようです。貧しい農村を牧歌的に描いたような感じですね。

IMG_04362.jpg
写真2番目は後姿です。後姿のアザミも流れるような優美な弧をえがいています。背景の琳派の流水の曲線に合わせているのでしょう。素材はアザミであっても、描きたいものは琳派の植物文なんでしょうね。

IMG_04342.jpg
写真3番目は袖です。

IMG_04452.jpg
写真4番目は、もう片方の袖です。

IMG_04462.jpg
写真5番目は胸です。

IMG_04292.jpg
写真6番目は、オクミとマエミの縫い目辺りの近接です。アザミの花は棘のような花ですが、単純化された紫の地に細い銀彩で表現しています。琳派を思わせる洒脱な表現ですね。

IMG_26652.jpg
写真7番目は生地の拡大です。一見、絽に見えますが、拡大してみると、紗の一部分が変化しているだけのようです。紋紗に分類されるんでしょうか。
スポンサーサイト
[ 2018/04/21 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/1724-8ac37c52