野口の夏の着尺「手描きの縞」

第四千六十九回目は、野口の夏の着尺を紹介します。手描きの縞です。

一般のイメージでは、手描きは一品制作で高価、型染は量産で安価ということになっています。しかしながら型染も熟練した職人が必要な一方、手描きでもこの縞のように精緻というより感性のものであれば、センスが良ければそこそこの努力で出来そうな気がします。

もう1つはロットの問題で、型染のばあいは型代がかかりますから、ある程度の数が売れないと赤字になってしまいます。しかし手描きであれば型代がありませんから、ロットの制約がなく1枚でもそれなりの利益が出ます。そこで売れない時代には手描きの方がリスクが少ないということもあります。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。型染と手描きの見分けは型継ぎの有無です。普通の模様では、当然型継ぎがわからないように染められていますが、このようなよろけ縞では、型継ぎがわからないように染めることは無理でしょう。

もう1つは、よろけのパターンで個性のあるところを見つけ、その個性のあるよろけのパターンが繰り返さないか見ることです。よろけのパターンが型で表現されている場合、必ず繰り返すはずですし、繰り返さなければ、手描きで偶然生まれたよろけということになります。

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写真2番目は近接です。クレパスのような色とタッチで天真爛漫な縞です。

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写真3番目は、生地の拡大です。生地は緯糸5本ごとに隙間が空いていますから、5本絽ということになります。しかし絽の透き間が2段になっているんですね。
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[ 2018/04/07 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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