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一の橋の塩瀬の名古屋帯「杜若」

第四千四十一回目は、一の橋の塩瀬の名古屋帯「杜若」を紹介します。

今日紹介するのは友禅ではなく、描き絵による帯です。両者の違いは、続けて読んでくれている方はわかると思いますが、そうでない方のために少しだけ説明します。

紙でなく布に作画する場合、着彩した瞬間に滲んでしまって絵になりません。滲まない方法は無いかということで考えられたのは、1つは染料に混ぜ物をして粘度を高めることで、その代表は絹本に膠を接着剤として顔料で描く日本画です。しかしながらこの方法は生地がゴワゴワに変質ししまい着物としては着心地が悪くなってしまいます。そこで考えられたのが友禅で、染料で描こうと思う模様の周囲をあらかじめ糊で防染し、染料が滲んで行かないようにするという方法です。染料の堤防のようなものですね。

この作品は描き絵によるもので絵の部分は多少生地が変質しています。しかし帯のお太鼓は曲げて着装することは無いので不都合はないわけです。作者の側からすれば、友禅は糊筒を扱う修業をしなければできませんが、描き絵は画家のアルバイトということもありうるわけです。描き絵の難しいところは、絵画そのものですから純粋な芸術に近く、工芸としての評価を受ける友禅より厳しい評価になるということだと思います。友禅であれば森口華弘に勝てば一番かもしれませんが、絵画であればダビンチに勝たないと一番にはなれませんものね。

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いちばん上の写真はお太鼓です。このブログの前に存在した多摩ケーブルのブログ(現在は「過去の一点」として公開中)には、同じ帯が袋帯として掲載してあります。これはかつて袋帯として一の橋が制作したものですが、その販売後、別の方から注文を受けて名古屋帯として再制作したものです。

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写真2番目はお太鼓の近接です。葉の部分を見ると、友禅作家であれば、明暗を付ける時に芯部分を暈すか縁部分を暈すかするものですが、画家のばあい暈すパターンがそのどちらでもないですね。友禅と描き絵の違いは、糊筒と筆という道具や技法の違いだけでなく、作者がそこに至るまでの経歴が違い、作品の性質も違ったりします。

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写真3番目はもっと近接です。

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写真4番目は腹文です。

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写真5番目は腹文の片側です。

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写真6番目は腹文の近接です。
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[ 2018/03/10 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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