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小山憲市さんの上田紬の着尺に刺繍をして付下げっぽくするというテーマの続き

第二千五百九十一回目の作品は、小山憲市さんの上田紬の着尺に刺繍をして付下げっぽくするというテーマの続きです。

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いちばん上の写真は、ラクダの全身です。無機物である建造物ばかりでは作品に愛嬌が無いので、動物も入れています。人物でもよいのですが、サマルカンドの歴史的建造物の多くはティムール朝時代のものであるため、人物のばあいティムールの時代の衣装を考証しなければならないので避けています。

もっとも、インドのミニアチュールのおかげで、ティムール系の衣装は室内の召使いの衣装まで資料があって楽な方ですね。私は人物の衣装を考証しなければならないときは、マール社から300円ぐらいで出ているオーギュストラシネの「民族衣装」という、とてもきれいな本を使っています。小さい本なので、本ごと京都に送ってしまいます。素人には描き写すのは不能ですし、安いので戻ってこなくても悔しくないですしね。

さて、刺繍ですが、建物のような無機物の輪郭線は金糸の駒繍、動物のような有機物の輪郭線はまつい繍というルールで繍うことにしました。どちらも線を表現する技法ですが、まつい繍というのは、「ノ」の字をつなげていくような繍い方で、タッチが柔らかく、動きも感じるので、ふだんは波の表現などの使われることが多いです。

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写真2番目は、ラクダの目の拡大です。目にはマンガのように星を入れてください、と頼んでおいたところ、本当に星を入れてくれました。

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写真3番目は、ラクダの足の拡大です。爪があります。ラクダって爪がありましたっけ?偶蹄目か奇蹄目か、とか気になりますが、まあでも職人さんが頑張ってくれたので良いです。

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写真4番目は、鞍として掛けられた絨毯の縁の部分の拡大です。割付文様繍で模様表現してみました。割付文様繍とは、割繍(面を埋める刺繍)をした上に、幾何学模様などの模様を繍うものです。

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写真5番目は、ラクダの下絵の最初の案です。

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写真6番目は、ラクダの下絵の最終案です。上から見るとかなり完成度が上がっています。
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[ 2014/01/07 ] 繍箔 | TB(0) | CM(2)

サマルカンドに恐竜が

色を生かそうという発想が功を奏して、本当にしゃれたお着物になりましたね。お求めになった方も、さぞやお喜びで、お得意ですらあるのではと思います。
ラクダの愛嬌が、おしゃれ感を増していますね。目の星、最高です。これが、描写は正確でも可愛げに欠けるラクダだったら、こんなしゃれた着物にはならなかったでしょう。
下絵を拝見すると、おっしゃる通り、ラクダの完成度が段違いです。最初の下絵のラクダでなくてよかった。最初のだったら、サマルカンドに突然謎の草食恐竜が現れたみたいです!
[ 2014/01/09 01:27 ] [ 編集 ]

元は岡本等さんです

ラクダを誉めていただきどうもありがとうございます。刺繍の動物シリーズの第二弾です。第一弾は象で、多摩ケーブルの過去の一点で見ることができます。しかしながら、私が動物のデザインができるわけがなく、じつはすべて岡本等さんの友禅作品を刺繍にアレンジしたものです。岡本等さんは、かつて野口の友禅作品を創っていた作家で、今の「野口らしさ」の元の1つは、岡本さんによってつくられたものではないかと思っています。残念ながら、10数年前に40代でがんで亡くなってしまいましたが、私は今もいくつか作品を持っていて、勉強させてもらっています。私は煩わしいのが嫌いで作家や職人には会わないので、岡本等さんにもお会いしたことはなかったのですから、私がいちばんずるい弟子かもしれませんね。明日のブログで、岡本さんの動物をお見せしますね。
[ 2014/01/09 20:00 ] [ 編集 ]

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