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一の橋の付下げ「金彩リング宝飾」の帯合わせ

第二千五百八十七回目の作品は、一の橋の付下げ「金彩リング宝飾」の帯合わせです。

昨日来の「金彩リング宝飾」は、洗練といえば最高に洗練された作品であり、お洒落といえば最高にお洒落な作品です。倉部さんがつくって一の橋が売っているのですから、当然と言えば当然です。

それだけに、帯合わせは悩みますよね。倉部さんと一の橋の世界観を大事にしなければいけないとも思いますが、ぶち壊してやるのも良いと思います。ただ、ぶち壊すのならば、その後にそれ相応のものをつくってやらなくてはなりません。ぶち壊す方がかえって難しいわけですね。

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いちばん上の写真は、北秀の金彩の袋帯を合わせてみました。金彩加工に金糸のあしらい(刺繍)をしたもので、作者は倉部さんではありません。どちらも金だけの単彩主義ですから、ほとんど同じといえます。同じテーマすぎる帯合わせは、失敗することが多いですが、これは違和感はありません。

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写真2番目は、龍村の名古屋帯「平泉遺宝文」を合わせてみました。中尊寺金色堂内部の荘厳具の1つである華鬘をモチーフにしたものです。こちらも金だけの単彩主義です。ただし、上の帯合わせがエキゾチックものどうしであったのに対し、こちらは平安時代のモチーフということで、和洋の組み合わせになっています。

もとの「リング」はエキゾチックでモダンなテーマなわけですから、そこに和様を持ち込むこと自体、すでに世界観を壊していると言えます。金だけということで、色は単彩主義を大事にしているが、意味は壊しているんですね。

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写真3番目は、帯屋捨松の袋帯を合わせてみました。「帯屋捨松」のロゴのある標準品ではなく、手織りの高額品です。今は手織りと言っても中国製ですが、当時は日本製で、高いなあと思いながら仕入れたものです。

意匠は、名物裂として有名な「牡丹唐草」そのままで、エキゾチックなテーマが多い捨松にしては意外ですね。模様は太い引き箔のみの単純な表現ですが、ピンクと白で段になった地の組織は極めて複雑で、よく見ると本金の平金糸も織り込まれています。モダンなリングに対し、典型的な名物裂の文様ということで、やはり和洋の組み合わせで、世界観を一部壊しています。

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写真4番目は、坂下織物の「御門綴」のシリーズの1本を合わせてみました。坂下織物は十数年前に破産していて、もう現物を見ることはないと思います。テーマは皇帝の支配する中国の典型的な意匠である蜀江錦です。がちっとした構成で、花鳥風月の日本とは反対の世界観です。

堅いデザインですから、留袖などドフォーマル系に使う帯ですね。洗練された装いというのは、さりげないものが多く、ドフォーマルとは相いれないことが多いですが、これはなんとか許容範囲ですね。
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[ 2014/01/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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