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都織物(385)のすくいの八寸の名古屋帯「気」

第三千七百九十六回目の作品として、都織物(385)のすくいの八寸の名古屋帯を紹介します。タイトルは「気」です。

すくいの帯とはどういうものをいうのか、その語源は「糸をすくうように織るから」だというのは、よく言われるのですが、その定義や綴の違いというのは意外に説明している文献はないんじゃないかと思います。もちろん広辞苑などには載ってないですし、染織用語の最後の砦でもある染織と生活社の後藤捷一著「日本染織文献総覧」でさえも載っていないのです。

結局、研究者が定義するような形で存在する言葉は「綴」または「綴錦」までで、すくいというのは近代になって造られた商品名または商標ではないかと思います。いつか研究者が定義する日があるかもしれませんが、まだそこまで一般化していないんじゃないでしょうか。

商標としては「まことのすくい」がありますね。まこと織物が持つ商標です。「まことの」と付くのは「すくい」だけではすでに言葉として普及しているということで登録できなかったのでしょうか。

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いちばん上の写真はお太鼓です。

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写真2番目は腹文です。

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写真3番目は、お太鼓の近接です。

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写真4番目は、お太鼓のさらに近接です。

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写真5番目は、お太鼓の拡大です。下半分のグレーの部分が地、上半分の青と白が模様です。地の部分は経糸と緯糸の色が違ってグレーの濃淡になっています。平織なので経緯の色が平等に露出しています。離れて見れば平均の単色のグレーに見えてしまうわけですが、平均の単色で織るよりも2色で織る方が面に奥行きが出て空間を感じることができるんじゃないでしょうか。

また模様部分ですが、経糸を緯糸で包むような構造になっており、経糸は表面からは見えません。これが本来の綴組織です。この作品は模様が綴組織、地が平織で出来ているんですね。綴と呼ばれる織物は全面が綴組織ですから、そこがすくいと綴の違いかもしれません。

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写真6番目は、お太鼓の別の場所の拡大です。この部分も、地は平織で模様は綴組織です。綴とは綴組織で織られたものであり、すくいとは綴組織を使っているが他の技法も使っているものということではないかと思います。
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[ 2017/07/04 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

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