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東京刺繍の帯の帯合わせ

第三千七百七十六回目は、東京刺繍の帯の帯合わせです。

今回の帯は洒落モノでカジュアルというのが基本だと思いますが、私はいつものように、紬~フォーマルまで使ってしまいます。今日は染めの着尺に合わせます。刺繍の帯の良いところは、絵画的な模様の着尺を合わせられるところです。友禅の帯だと絵画の上に絵画を重ねることになってしまいますから。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。帯のテーマがヨーロッパの街の縁日と大道芸人というエキゾチックなものですから、着物のテーマはとりあえず更紗にしてみました。単色濃淡の植物模様で使いやすい着尺です。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。多色の縞更紗で全く余白が無い意匠なので、友禅でも型染でも模様のある帯は使いにくいです。今回の帯は刺繍の模様の周りに十分な余白があり、着物の模様と帯の模様が分離できるので見た目自然です。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。多色の縞更紗で全く余白のない意匠です。上と違うところは、型染(あるいはシルクスクリーン)で細密な表現をしているところですね。好き好きですが、どちらも帯合わせは難しいです。今回のような刺繍の帯は、模様自体は重厚ながら余白があるわけですが、そういう帯は便利ですね。

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写真4番目は、野口の着尺を合わせてみました。葡萄の蔓がテーマですが、大きい模様でしかも総柄という、作品としてはとても面白いが、帯合わせは難しいという着物です。模様は重厚でも余白があるという刺繍帯の特長が生きる着物ですね。

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写真5番目は、野口の着尺を合わせてみました。楓の枝をテーマにした着尺ですが、1つの模様が一巡するのが2mほどある(型の長さが2mもあるということ)ため、着てしまうとなかなか模様が繰り返しませんから、訪問着のような雰囲気になります。帯としてはそこそこの重厚さも必要なので、このような手間のかかった帯が良いのではないでしょうか。

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写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。多色の楽しげな雰囲気の着尺です。帯のテーマが縁日と大道芸人なら、着物も明るく楽しいものが合うはず、ということで選んでみました。

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写真7番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。雀を絞った着尺です。あらかじめ表現したい具象的なデザインがあって、そこに向けて絞り方を工夫しているわけですから、辻が花の流れをくむものです。その反対は有松のようにいろんな絞り方を工夫して、結果として思いがけない模様が現れるのを喜ぶ絞ですね。

縫い締め絞りは、生地を摘まんで防染するのが普通ですが、このように模様の色が地色より濃いものは、模様を絞っているのではなく模様以外を絞っているのですし、模様の周りにさらに濃い輪郭部分があるのも絞り方の工夫ですから、極めて難度の高いものです。

私は絞りの着物を仕入れる時に、絞り方の難度の高そうなものを仕入れるようにしています。真似されにくいですから値崩れしませんものね。たまたまセンスが良くても、ただ生地を摘まんでできるものは誰でも出来そうですから。
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[ 2017/06/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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