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花也の名古屋帯の細部と帯わせ

第二千五百七十八回目は、昨日の花也の名古屋帯の細部と帯わせです。

今回の名古屋帯のテーマは、硯箱と紐です。硯箱に描かれているのは羊歯と笹ですが、その羊歯と笹は現実の硯箱に蒔絵で描かれている模様とも思えますし、硯箱の形の取り方の中に「羊歯と笹」という友禅モチーフを入れているとも言えます。前者ならば写生、後者ならば小袖以来の友禅の意匠ということになりますね。両者が判然としないのもまた小袖以来の友禅の意匠の伝統とも言えます。

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いちばん上の写真は、硯箱の中の意匠をできるだけ近接で撮ってみました。ここではぜひ、線描きによる羊歯の葉のかすれ(飛白)の表現を見てください。毛筆の飛白に見える程度に、地染めをした時に染料が浸食するように糊を置いているわけです。糸目の仕事では、本来の役割である模様の輪郭を取る仕事よりも線描きの方が難しいです。防染するという本来の機能を越えて、線のタッチ自体が芸術として鑑賞されてしまうからです。

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写真2番目は、腹文の紐と霞の側を近接してみたものです。腹文は、お太鼓の模様のダイジェストのような硯箱と、お太鼓とは違うテーマである霞があって、結ぶ方向でどちらか選択できるようになっています。紐は、特にお太鼓においては、バラバラの3つの箱を1つの意味のある意匠にまとめる役割を果たしていますね。

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写真3番目は、帯合わせを試してみました。いずれいろいろなパターンを試してみようと思いますが、とりあえずいちばん常識的なパターンです。合わせた着尺は、千切屋治兵衛の飛び柄の小紋です。生地は紬でちょっと変わっていますが、テーマは雪輪で地色は淡く、誰からも批判されることのない帯合わせです。

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写真4番目は、やはり常識的な帯合わせで、上と同じく千切屋治兵衛の飛び柄の小紋を使っています。生地は、こちらは紬というような個性モノではなく、普通のしぼの大きい縮緬ですが、テーマは当たり障りのない雪輪などではなく、個性のある栗鼠になっています。

花也の主人であるくわ垣さんというのは、真夏でもスーツの上着を脱がないような堅い人で、着物のテーマにもそれが現れています。この帯も上品としか言いようがないですものね。着物も上品で合わせればそれでよいのですが、ちょっと冒険をして、紬地にしたり動物柄にしてみました。
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[ 2013/12/25 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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