花也の付下げ「道長取り更紗模様」の帯合わせ

第三千七百四十三回目は、花也の付下げ「道長取り更紗模様」の帯合わせです。

今日は染め帯を使って帯合わせをしてみます。染め帯はたいてい友禅ですから絵画性が高いのが特徴になります。着物もたいてい友禅で絵画性が高いですから、絵画と絵画が重複してしつこくなります。人間でも芸術でもしつこいというのは野暮につながりますから要注意です。

通常、友禅の染め帯を合わせることができる付下げは、模様が少ないあっさりした作品、たとえば刺繍や箔主体のものです。今回の付下げは鬼門の友禅ですから結果はどうでしょうか。

IMG_04192.jpg
いちばん上の写真は、大羊居の名古屋帯「楽園」を合わせてみました。更紗に更紗を合わせるのは禁忌ですが、模様にすぎない更紗を飛び越えるエキゾチック性を持つ象を合わせてみました。毒を猛毒で制する感じです。地色が青で同系色濃淡の関係を作れるので、かなりいい感じだと思っています。

IMG_04212.jpg
写真2番目は、大羊居の名古屋帯「更紗の苑」を合わせてみました。更紗というのは模様のパターンですが、その一部を抜き出して単体の模様にすると、訪問着や帯のお太鼓にふさわしい絵画的な意匠になります。この帯合わせでは、着物の更紗の模様が子分たちで、帯の模様がラスボス(ゲームの最終画面に出るボスキャラ)に見えますね。

IMG_04202.jpg
写真3番目は、大羊居の名古屋帯「舞踏会」を合わせてみました。大彦の訪問着で「舞踏会」と題して複数のシャンデリアを描いたものがあります。これはそのダイジェストのように見えます。シャンデリアと更紗は、西欧とインドで産地は違いますが、ともにエキゾチックという共通点があります。この程度の共通性と相違性が、帯と着物の関係でちょうど良い距離ではないでしょうか。

IMG_04222.jpg
写真4番目は、北秀の袋帯を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。大彦や大羊居の本家筋にあたる工房です。着物の更紗に帯で鸚哥を合わせて、エキゾチックな花鳥を作ってみました。模様の重複と言ったらもうそのものですが、着物は単彩、帯は多彩であることが救いです。

IMG_04252.jpg
写真5番目は、北秀の袋帯を合わせてみました。実際に制作したのは東京の箔と刺繍の工房でした。着物の友禅に対し、帯は箔と刺繍に逃げていて、これが染物同士の帯合わせの基本ですね。着物の青に対し帯は金ですが、青と金の組み合わせはトルコ石に金の台座を付ける配色で見慣れているものですね。
スポンサーサイト
[ 2017/05/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/1377-01ee6ddc