花也の付下げ「道長取り更紗模様」の帯合わせ

第三千七百四十二回目は、花也の付下げ「道長取り更紗模様」の帯合わせです。

今日は単衣に仕立てたと想定して帯合わせをしてみます。今回の付下げは、青系濃淡の単彩でとても涼しげに見えるので、単衣用の着物としても使えます。単衣の着物に合わせる帯は単衣の帯ということならわかりやすいですが、そういうものでもありません。構造上、綴の帯は単衣状態になっていますが、初夏と初秋に締めるために単衣になっているわけではありません。

西陣の袋帯では、少し昔、大西勇(88)が構造上も使い道も単衣の帯を作ったことがあり、それは作品的にも素晴らしいものでしたが、高価でしたし継続的に織っているわけでもありません(ネット上で古着として見たら買うべきだと思いますけどね)。4寸の博多の帯には裏地のあるものと裏地のない単衣とが有りますが、この単衣はほぼ浴衣専用です。

というわけで、通常単衣の着物に合わせる帯は、普通の帯のうち薄手で涼しげに見えるものか、夏の絽や紗の帯のうち比較的厚手で盛夏に使うにはためらわれるようなもの、ということになります。着る人の感性に任せられる部分が多いということですが、そういうとかえって難しいですよね。

常に通用するルールはありませんが、多少のヒントはあります。たとえば普通の帯については、唐織は糸が浮いているために厚手に見えがちですよね。絽の帯については龍村は厚手で盛夏には暑そうですよね。綴は3シーズン使えますが、単衣時期に使うと特にかっこいいと言われますよね。

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いちばん上の写真は、紫絋の袋帯「菖蒲」を合わせてみました。今日も明日も東京は最高気温29度ということで、袷を着るのは辛そうです。人間の体の要求にしたがえばゴールデンウィークからは単衣ではないでしょうか。菖蒲や藤や紫陽花の着物や帯をこの時期に身に付けるのは最高に気持ちが良いと思います。季節限定過ぎて買うときは躊躇してしまいますけどね。

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写真2番目は、洛風林の袋帯「印度七宝」を合わせてみました。色が爽やかで涼し気という理由だけで選んでいます。

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写真3番目は、龍村の名古屋帯「飛鳥間道」を合わせてみました。これも色が爽やかで涼し気という理由だけで選んでいます。

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写真4番目は、龍村の絽の名古屋帯「かすみびし」を合わせてみました。ここから下の3枚は夏帯を合わせる例です。配色の良さで選んでいますが、写真で見ても龍村の絽はしっかりしていて、本来の時期である夏でなくても大丈夫と思います。

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写真5番目は、今河織物(証紙番号101)の紗の袋帯「若人の詩」を合わせてみました。タイトルから想像できる通り若松です。盛夏の帯に、お正月っぽい若松ってどう?とも思うのですが、芒みたいにも見えます。なんとなく見過ごすことができる模様ということでしょうか。私は夏帯ということで、芒だと思いこんで仕入れてきたんですよ。

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写真6番目は、龍村の絽の袋帯「古伊万里扇」を合わせてみました。鍋島の皿をテーマにした帯で、皿の縁の模様を重ねた意匠です。更紗の模様と器物文様である鍋島の皿とは全く関係がないように思いますが、よく見ると、どちらも弧のような取り方の中に藍色の植物文を含む模様が入っていて、パターンがよく似ています。意外にも重複していたんですね。

龍村の袋帯は絽ですが、相当厚手で盛夏は気がひけます。なぜ龍村の帯が厚手かと言えば、重厚な表現をしたいために糸が多くなって隙間率が少なくなるからでしょう。模様は重複しつつも、染の軽快感と織の重厚感の差のおかげで、意外に違和感がない気がします。
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[ 2017/05/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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