第三千七百三十四回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「高砂」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせです。
「高砂」というのは能の演目というよりも、結婚式の時におじいさんが歌うイメージで、そのために結婚式専用のように誤解されてしまいます。さすがに最近の結婚式ではそういうことはないですが、時代劇の結婚式のシーンでは必ず、合図のように背景に「高砂やあ~この浦船に帆を上げてえ~」と流れていますね。今日は紬と合わせてみることで、結婚式専用でないことを示してみました。

いちばん上の写真は、小岩井工房の上田紬を合わせてみました。手織り・草木染の紬ですが、配色や雰囲気に都会的なところが有るのが特長だと思います。池内淳子さんなど女優さんたち御用達としても知られていて、商品は問屋や小売屋を通さず直接個人に販売しています。信州旅行を兼ねて購入する方が多いのではないでしょうか。

写真2番目は、郡上紬を合わせてみました。手紡ぎ糸、手織り・草木染の紬で、けっこう高いものです。良心的な店でも50万円ぐらい。郡上紬も配色や雰囲気に都会的なところが有りますね。

写真3番目は、大城広四郎の琉球絣を合わせてみました。南風原町の工房です。現在は大城広四郎の息子の代になっていて、「大城広四郎工房」となっています。

写真4番目は、秋山真和さんの「綾の手紬」を合わせてみました。「綾の手紬」は秋山さんのブランドで、宮崎県綾町で制作しています。この作品は輝くような発色の藍染の糸を使った花織です。

写真5番目は、佐藤トシさんの南部紬を合わせてみました。胡桃と藍で染めた糸で織った縞です。岩泉町で手織り・草木染で制作していた作家ですが、現在は制作していないのではないでしょうか。

写真6番目は、大城哲(さとし)さんの琉球絣を合わせてみました。大城広四郎と同じ南風原町に工房があります。大城カメ→清栄→哲と続いていて、大城カメが有名だったんですね。
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