野口の手挿しの訪問着

第三千七百二十六回目の作品として、野口の手挿しの訪問着を紹介します。

手描き友禅と型染(現在はほとんどシルクスクリーン)の間に手挿しがあります。手挿しは型糸目ともいうのですが、糸目すなわち模様の輪郭線だけに型を使い、模様の内部は手描きするものです。手描きと型染を見分けるために、裏を見て染料が裏まで透っているか見ることがありますが、この方法では手挿しと手描きを見分けることはできません。色はどちらも手で挿しているわけですから。

どこが違うかというと、手挿しは複数生産を前提としているので、日本のどこかで、誰かが同じ模様の色違いを着ていることです。いきなり量産するのではなく、毎年1,2枚ずつ、流行が変わって売れなくなるまで作り続けるので、最終的に何枚作るかはわかりません。昔は数十枚作ったでしょうが、今では不人気なら数枚、人気でも十数枚でしょうか。

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いちばん上の写真は前姿です。この作品は反物で制作され、指定された箇所で裁つと模様がつながって訪問着になるようになっています。

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写真2番目は前姿ですが、おはしょりや帯の裏になって見えないところです。前姿の下から生えてきた樹木は、付下げであれば帯の下で梢まで描いて一度終わるところですが、この帯の裏を通り抜けていきます。訪問着的な構成ですね。

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写真3番目は胸です。裾から変えてきた樹木は帯の裏を突き抜けて胸にまで達し、そこに梢があります。

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写真4番目は後姿です。左側の枝は前姿の樹木から繋がってきている枝です。後姿の裾からも1本樹木が生えてきています。

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写真5番目は、後姿を縦の写真で撮ったものです。後姿の樹木もけっこう上まで伸びていて横の写真では入りきらないので、縦の写真で撮りなおしてみました。
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