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千總の訪問着の細部

第二千五百七十四回目の作品として、千總の訪問着の細部を紹介します。

昨日の金線描きの更紗の訪問着の細部です。

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いちばん上の写真は前姿の近接、写真2番目は後姿の近接です。

主要な部分の花が彩色されていますが、赤茶色と紫と青ということで、上品というよりも、ちょっとエグさのある配色だと思います。アイドルのオーディションで、普通のかわいい子よりも個性のある子が選ばれたりすることがありますが、そんなことを連想させますね。

千總に限らず、高級な訪問着というのは展示会で並べられて販売されることが多いですから、ただ上品なだけではだめなのでしょうね。みんなに愛されなくても良いので、誰かの心をギャッととらえることが大事だと思います。

更紗模様の中に、地色より白っぽい色の葉がありますが、それはダンマル描きされているようです。ダンマルは蝋ではありませんが、蝋と同じように生地に薄く置くと半防染効果があります。その効果を利用して地色と白の中間色をつくり、単調で平面的になりがちな金線描きに遠近感を加えています。

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写真3番目と4番目は花のあしらい(部分を強調するための刺繍)の近接です。

細い金糸を3本撚って、わざわざ太い金糸にして、まつい繍して花弁の輪郭線を装飾しています。花の色はエグいですが、それに呼応するように刺繍もまたエグさを演出しているのです。

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写真5番目と6番目は金線描きですが、鳥がかわいいので近接してみました。金線描きというのは、糊筒に糊(金描き用の合成樹脂)と金粉を入れて、友禅の糊置きのように線を描きます。

多くの場合、友禅作品の仕上げとして、友禅模様の強調したいところだけを金線で描くという従属的な仕事をしているわけですが、この作品では主役をつとめています。

このような作品では、上手い下手がはっきり出ますね。複数の作品を比べてみるとわかりますが、線の繊細さ、流麗さは作品ごとにすごく違います。この作者は絵羽物の制作の主役を務めるだけあって、さすがに上手いです。特に6番目の写真を見ると、鳥は花よりも細い金線であることがわかります。平面に見える金線描きも、このように強弱が付けられています。
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[ 2013/12/20 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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