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龍村の絽の名古屋帯「花音」の帯合わせ

第三千七百二十四回目は、龍村の絽の名古屋帯「花音」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみます。フォーマル方向の使い方ですね。

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いちばん上の写真は、野口の絽ちりめん地の付下げ「芦」に合わせてみました。流水の中に芦の葉が揺れるというテーマです。芦の葉が、紫、紺、辛子い色、緑という野口のテーマカラーともいうべき色で染められています。この色の組み合わせは野口作品でよく当時するので、この配色を見ると野口だなとわかります。色とデザインだけで、商標を見なくてもどこの商品かわかる、というように自社のアイデンティティを持つというのは、現代のマークティングが教えるところです。野口はテーマカラーを持っている数少ない着物メーカーですね。

配色の特徴は朱が入っていないことです。朱が入っていると若向きになって年輩者が着られなくなってしまいます。朱を使わないことで、年輩者向きでありながら華やかな着物が作れるのです。

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写真2番目は、野口の紗の付下げ「柴垣秋草文」に合わせてみました。花の種類を見ると、菊・萩などわりと秋に偏っているので、夏後半のイメージでしょうか。たいていの人は夏のフォーマルなんて、買うとしても1枚だと思います。そのばあいは波の文様にしておけばずっと着られます。植物文のばあいは、後半に合わせた方が良いでしょう。秋草というのはなんとなく生えている感じで、夏前半でもそれほど気にならないものです。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の絽の付下げ「撫子」に合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。墨で自然体で描かれたような大きな葉がありますが、葉の交わるところを見ると、ちゃんと糸目の痕跡があります。無意識で描かれているように見えるのは演出で、じつは綿密に計算して糸目で輪郭を取ってあるのです。

撫子の花は細い金糸で名人技のようなあしらいを入れていますし、夏後半の、ちょっとだけ初秋を思わせる風が吹くかなあという空気を感じる情緒的な作品に見えて、小細工満載な中井さんらしい作品です。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の絽の付下げ「芦」に合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。着物全身を水面に見立てて、ところどころ芦が顔を出しているといった意匠です。波の表現はダンマルを使って水の透明感を演出しています。

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写真5番目は、花也の紋紗の付下げ「色紙取り波に草花文」に合わせてみました。市松模様に見える紋紗の生地の地紋を生かすように、色紙取りをした意匠です。色紙取りの中味は、初夏~初秋の草花と伝統的な波文が合わせてあります。糊糸目の美しい線がたくさん見られて、お金を出した甲斐が有った、と思わせる作品です。商品には「ありがたみ」ということも大事なんです。中井さんはそういうことはあまり気にしなかったのですが。
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[ 2017/04/23 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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