花也の友禅の名古屋帯「市松取り笹に桜」の帯合わせ

第三千六百九十九回目は、花也の友禅の名古屋帯「市松取り笹に桜」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみました。今回の帯は、紬~小紋~付下げまで広く使います。友禅、箔、刺繍などを使った重加飾の染め帯は、結城紬のように高価だけど色が地味で一般人には気づいてもらえないという着物に合わせるとちょうど良いですが、そのまま付下げまで使えてしまいます。ただ、たいていの着付けの教科書には「金の付いた帯は紬に使えない」と書いてありますから、それを信じる初心者にはこのような考えは通じません。

友禅の付下げには具象的な模様がついています。具象的な模様には必ず意味があり、桜との相性が問題になります。「意味」というのは全然違うのも変ですが、同じ過ぎるのも模様が競争してつぶし合うようで変ですから厄介なものです。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「千鳥」を合わせてみました。千鳥だけを配した軽い付下げです。元は「波に千鳥」の付下げで、そこから波を外したものです。一方、千鳥を外して波だけの付下げも作られています。着物の意匠でも帯の意匠でも、いちばん多いのは植物文です。鳥だけの模様は、そういう着物や帯と合わせて花鳥が作れますから意外と便利なものです。

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写真2番目は、一の橋の付下げ「宝飾リング」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。箔と金糸の刺繍によって宝飾リングを描いたもので、桜とも季節とも無関係という関係になります。ただ関係があるとすれば、おしゃれというだけですね。

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写真3番目は、一の橋の付下げ「羊歯と笛袋」を合わせてみました。シダは枯れないということで縁起が良いとされているわけですから、羊歯文には季節はありません。また植物としても地味ですから桜と干渉しあうことはありません。笛袋は桜とは直接関係が無く、ただ雅な組み合わせにすぎません。この着物と帯の組み合わせは、当たり障りなく付き合える関係ですね。

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写真4番目は、一の橋の付下げ「市松取り華文」を合わせてみました。着物に使われている華文は古代のユーラシアから変わらない文様で、季節はなく、桜と干渉しあうことはありません。一方、市松取りは共通でシンクロしあう関係です。模様の中味は違うが模様の枠組みは同じという関係です。

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写真5番目は、一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」を合わせてみました。雲形の中に黄緑の柳、さらに蹴鞠という雅な組み合わせです。雲形は霞を思わせるグラデーションで、季節としては春を暗示します(春霞)。意匠は全体に大きく、おおらかな雰囲気です。
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[ 2017/03/29 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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