2017 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 09

藤井絞の七五三の男児の羽織

第二千五百六十九回目の作品として、藤井絞の七五三の男児の羽織を紹介します。

2012年6月19日(第二千五十六回目)で紹介した藤井絞の七五三の男児の羽織の色ちがいです。この作品が売約済になったときから色違いを作り始めて、先日完成してきました。

もともとこの作品は、2011年11月10日(千八百五十二回)に紹介した藤井絞の男児用のお宮参りの祝着とほぼ同じ発想でつくられたものでした。

IMG_5804.jpg
いちばん上の写真は背中から撮った全体、

IMG_5806.jpg
写真2番目は近接、

IMG_5807.jpg
写真3番目はもっと近接、

IMG_6899.jpg
4番目は参考図版です。

原型になったのは、おそらく室町時代ごろから現れた胴服でしょう。胴服というのは、小袖の上に羽織るものですから、形も機能も現在の羽織の原型です。写真4番目の参考図版を見る通り、秀吉や家康が羽織っていたという辻が花の胴服というのは現存していて、いずれも高度な技巧を使っているのに全体のデザインはすっきりして、素晴らしいものです。

さて作品ですが、男児のお宮参りや七五三の着物のテーマといえば、「鷹」と「兜」が定番です。お客さまの中には、「鷹」と「兜」以外のものが欲しいとわざわざ言ってくる人もいるぐらいですから、高級品もそうでないものも世間は「鷹」と「兜」だらけなんでしょうね。

この作品もまた鷹のモチーフを踏襲しています。しかし鷹の羽だけという暗示的な表現なので、同じ鷹のテーマにしても新鮮な感じがします。絞りだからこそできる、絞りにあった意匠といえるでしょう。

友禅や型染は絵画性に優れているのが長所ですが、そのために具象的な鷹を描かざるを得なくなるのです。反対に絞りのようにもともと絵画表現に不向きな技法であれば、羽だけという暗示表現でも十分な仕事をした感じになるのです。

いちばん上の写真で作品全体を見ると、参考図版で紹介した戦国大名の辻が花の胴服に雰囲気がよく似ています。今度つくるときは、もっと胴服を意識して、技術とコストで可能なら、そっくりに作っても良いですよね。

今回は手堅くグレーでつくりましたが、前回のようにバサラっぽく派手につくったほうがよかったかなあ。
スポンサーサイト

いいなあ!

来年出来る予定の孫が男児だったらこういうの着せたいなあ…と思って拝見しました。
孫の性別はまだわからないのですが、お宮参り~七五三~十三参り~成人式と全て和装すると仮定して、最小限の反物購入で済まそうとした場合にはどのような購入歴となるのでしょうか?お教え頂ければ幸いです。
[ 2013/12/15 20:41 ] [ 編集 ]

良い質問ですね

子や孫を持ったすべての人が直面する問題です。自分が欲しくて買う着物は、その都度気持ちにまかせて買えば良いわけですが、自分以外の家族の冠婚葬祭の着物は、コストパフォーマンスを考えて効率よく組わせたいですね。みんなに関係する問題なので、コメントではなく、ブログ本体で取り上げていきたいです。また、ある程度まとまったら、ホームページ本体で保存したいと思います。さっそく、次のテーマとして男の子のお祝い着を取り上げます。
[ 2013/12/16 16:33 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/131-10d8fdb3