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奥順の結城縮

第三千六百四十九回目の作品として、奥順の「結城紬縮織り」を紹介します。

結城紬は、昭和30年に重要無形文化財に指定される前は縮織の方が生産が多かったのですが、重要無形文化財の指定の対象が平織だけだったため、その後は平織の生産ばかりが増えました。再び縮織が注目されるようになったのは近年のことです。

縮織についても重要無形文化財に相当するものとそうでないものがあり、国が指定している間は、茶色い証紙が貼られる対象は平織だけでしたが、現在は組合だけで自由にできるため縮織についても本来の要件を満たしていればグレーの証紙を貼ることができます。

今日紹介するものは、グレーの証紙が貼れるようなものではないですし、検査自体していない「訳あり品」です。しかし有名ブランドがちゃんと保証する「訳あり品」ですし(それってエラいのか?)、値段もそれなりで単衣で着ればお洒落です。これは高梨という問屋で仕入れたものですが、こういうのがあるから高梨って好きなんですよね。良いものはお金を出しさえすればどこでも買えるのですから。

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いちばん上の写真は、反物の幅を写真の幅として撮ったものです。経緯の絣がぶつかる、絣織物の基本のデザインです。

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写真2番目は近接です。

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写真3番目はもっと近接です。このぐらい近接すると、生地の風合いがわかります。単衣で着ると気持ちよさそうですね。

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写真4番目は拡大です。下の説明文と合わせてみていただけると縮織の構造がよくわかります。緯糸に着目すると、反対向きに強く撚られた強撚糸が交互に打ち込まれ、それによって緯糸がジグザグになり生地が縮んでいる感じの風合いになっているのだろうと想像できます。

青い糸は絣糸です。黒く見える絣ですが、拡大してLEDを当てると青く見えるんですね。絣糸は強撚糸ではないようです。縮織りというのは、すべての緯糸が強撚糸というわけではないようです。

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写真5番目は、反物の端に貼られたラベルで「結城紬の縮織り」について説明しています。もしこれが完全な欠陥品であれば、会社の名前が付いたらベルなど貼らないはず。これは「訳あり品」といいながら会社の名前を付けて流通するに値する商品なのです。私も安心して仕入れましたし、お客さまも安心して買っていただいて大丈夫ですから、コスパで選んでほしいというところです。

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写真6番目は奥順による注意です。「全体的にタテスジ」とあります。○に一が奥順のマークです。真綿や玉糸の織物は生地に凹凸や独特の感触が有るから良いのであって、ツルツルな風合いであったなら、逆に機械織りの安物だろうと思えてしまいます。もとがツルツルの織物であれば、「タテスジ」と言われてすぐわかりますが、もともと凹凸があるのが良しとされる織物では、良いスジと悪いスジの差がわかりません。

おそらく検査所の基準があるのでしょう。これは「検査なし」とあるので、どうせダメだからということで検査所に出さずに、訳あり品として高梨に出されたんでしょうね。
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[ 2017/02/07 ] 各地の絣・紬 | TB(0) | CM(0)

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