一の橋の付下げ「截金華文」の帯合わせ

第三千六百四十七回目は、一の橋の付下げ「截金華文」の帯合わせです。

今日は染めの帯を合わせてみます。着物は友禅ですから、友禅どうしを重ねることになりますが、友禅とは言っても定型の華文の変奏にすぎず、それほど絵画性は高くないですから、模様を重ねるしつこさには陥らないと思います。

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いちばん上の写真は、花也の名古屋帯「刺繍華文」を合わせてみました。大きい華文1つの帯を合わせることにより、ラスボスのように見せてみました。華文の形をゴム糊で防染して白抜き状態をつくり、後彩色と刺繍でグラデーションに仕上げたものです。刺繍は太く撚った漆糸を使っていて光沢があります。

白地→後彩色→光沢のある刺繍で段階的な表現をすることでグラデーションを作っているんですね。作品のテーマは、本当は華文などどうでもよく、とにかくグラデーションを綺麗に見せるということだと思います。

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写真2番目は、大松の友禅の袋帯を合わせてみました。鸚哥系の鳥2羽に更紗を合わせたエキゾチックなテーマですが、日本の伝統的な様式である花の丸文様の意匠にしてあります。素材は外国、構成は日本ですから、和魂洋才ということですね。色もデザインも大松の良いところがそのまま表現された作品だと思います。

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写真3番目は、北秀の塩瀬地の袋帯を合わせてみました。東京の工房による箔と刺繍の作品です。着物の華文に対し、水平に広がる意匠を合わせてみました。全体の意匠としては水平ですから対照的ですが、個別の模様としては丸紋も含まれており、対照と同調のバランスが良いです。

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写真4番目は、一の橋の塩瀬地の名古屋帯「薬玉」を合わせてみました。帯の模様は、着物の華文の丸い形と一見同調しているような丸い形ですが、さらに見ると和様で異質な薬玉だった、という趣旨の帯合わせです。遠くから見た人は、丸文どうしで同調した帯合わせと思うわけですが、近づいてくると騙されたと気づく仕掛けです。

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写真5番目は、京正の名古屋「瑞葉」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。箔で表現された唐草模様ですが、金から銀へ自然に色が変わっていくところもあり、金箔なのか金泥なのか分からない中井さんらしい高度な技巧の作品です。輪郭は縁蓋を切っていてくっきりしています。曲線は丸紋がほどけたようでもあり、華文と相性が良さそうです。

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写真6番目は、大羊居の友禅の名古屋帯「楽園」を合わせてみました。大彦の名作「象のいる天国」のダイジェストのような作品です。ユーラシアに普遍的に存在する華文に対し、エキゾチックというか国籍不明の模様の帯を合わせています。でも注目してほしいのは焦げ茶に原色の青という配色。

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写真7番目は、ヤマト染芸の友禅の名古屋帯を合わせてみました。ヤマト染芸は外山さんという方の工房ですが、東京にあって、ちゃんと糊の糸目を使っています。孔雀の緑と金がとても綺麗で、孔雀石がほんとに孔雀になったような感じです。小林古径もこういう配色で孔雀を描いていますよね。
http://blog.livedoor.jp/live0715/archives/2014-03.html
で見られます。
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[ 2017/02/05 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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