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花也の付下げ「羊歯文京繍霞」の帯合わせ

第三千六百三十四回目は、花也の付下げ「羊歯文京繍霞」の帯合わせです。

今日は染め帯で合わせてみます。今回の付下げは、友禅も使われていますが、単純なシダの形を白揚げで表現しているだけで彩色もありません。絵画性もあまり高くないですし、友禅という技法が重なってしつこくなることもないので、友禅の帯を合わせてみようと思います。

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いちばん上の写真は、羽田登喜男の友禅の名古屋帯「水仙」を合わせてみました。昭和の終わりから平成の初めごろ、人間国宝羽田登喜男の鴛鴦がすごく流行り、高額な訪問着の意匠のダイジェスト版のような鴛鴦の名古屋帯がすごく売れました。いまでも中古品がネットで出ていますが、当時の名残です。

当時、鴛鴦以外のモチーフも制作されていて、この水仙や下の蕨がそれです。中古で出回るのは鴛鴦ばかりですから、今はそれ以外の方が良いかもしれませんね。

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写真2番目は、羽田登喜男の友禅の名古屋帯「蕨」を合わせてみました。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯「ザクロ」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。糊糸目による作品で、写生性と意匠性のバランスの良い藤岡さんの植物シリーズの1本です。多くのユーザーは着物の模様について、リアルな写生画を求めてもいないし、古典の繰り返しも求めていないのではないかと思います。人の好みに合うのはその中間の、こんなスタイルではないでしょうか。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯「麦」を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。麦の収穫期をあらわす「麦秋」という言葉は、九州で5月、北海道で7月、平均で6月ですから、着物で言えばちょうど単衣の時期になります。単衣で着ること想定した帯合わせです。

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写真5番目は、花也の友禅の名古屋帯「地紙に羊歯」を合わせてみました。着物のテーマは羊歯ですから、全身羊歯ということになります。そう書くとじめじめしているようで気味が悪いですが、実際にはそう感じないのは、色に透明感があることと、羊歯の形が違いすぎて同じ植物だと気が付かないことですね。

よく「シダ類」といいますが、「類」は「界門綱目科属」のどれでもないですから、科学的な分類ではないんですね。シダ類はじつは茎や葉や根を持ちながら種子や球根をつくらない植物を言っているにすぎず、門にまたがる大きなグループですから、形はさまざまなのです。季節はないし形も自由で縁起が良い、という呉服業界のためにあるような植物です。

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写真6番目は、成謙の名古屋帯を合わせてみました。友禅は仕上げ工程として、模様の輪郭を金線でくくったりしますが、そのような脇役の職人さんを主役に持ってきた作品です。私が子供のころ、2つの丸い定規を使って花のような幾何学模様を描く玩具がありましたが、それを思い出しました。

金線主体の作j品は、金色が引き立つ地色を選ぶ必要があります。濃い地色にして金線をくっきり目立たせるのが普通ですが、これはあえて淡い地色にしています。
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[ 2017/01/23 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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