千切屋治兵衛の付下げ「小付け桜楓の丸」(実際の制作は倉部さん)

第三千六百二十五回目の作品として、千切屋治兵衛の付下げ「小付け桜楓の丸」を紹介します。実際に制作したのは倉部さんです。

倉部さんの金糸の刺繍を配した付下げで、刺繍の数は全部で8個です。倉部さんの刺繍は綺麗ですが高価ですから、なるべく少ない数で、たくさんあるように見える配置を考えるのがコツです。私も何度かつくったことがありますが、前姿に3個、後姿に1個、袖に各1個、胸に1個の計7個で、付下げとしての最低限の配置になります。一方の袖に2個付けて、もう片方は無しにするという方法もあります。また後姿を2個にして、袖は片方に1個だけということもあります。

その上で、刺繍の手間は同じでなるべく面積が広く見えるものを考えたり、刺繍の周囲にぼかしや箔をつけて、模様の面積を水増しすることを考えます。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。マエミに3個、オクミに1個で合計4個です。マエミ2個、オクミ1個の3個でも成り立つので、1個サービスですね。それ以外の場所は、後姿に1個、袖に各1個、胸に1個の計8個で、マエミに1個多い以外は、オーソドックスな配置です。暈しや箔の小細工はありません。

全体の意匠としては論じるほどのことはないので、以下は個別の模様の近接です。

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写真2番目は個別の模様の近接です。桜の枝を丸くして丸紋にしていますが、4分の1が開いているオープンな意匠で、閉じた丸紋より柔らかさや動きが有りますね。

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写真3番目は個別の模様の近接です。桜の花の形が歪んでいるところもありますが、実はとても小さいものなのです。

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写真4番目は個別の模様の近接です。楓の太い枝は、細かいながら力強さを感じます。

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写真5番目は個別の模様の近接です。上の模様はすべて、枝は駒繍でしたが、ここだけは枝がまつい繍ですね。なぜかわかりません。優しく弱く感じます。
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[ 2017/01/14 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

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