一の橋の名古屋帯「丸取枝桜」の帯合わせ

第三千六百十六回目は、一の橋の名古屋帯「丸取枝桜」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみます。主役しかできない女優さんみたいな帯なので、パートナーには悩みます。小紋や紬であれば、縞や格子という手がありますが、付下げの模様はたいてい具象画で意味が有りますから。今日は、波をテーマにしてみました。「波」というのは立派に助演俳優を務めてくれるので、こういうときはありがたいです。、

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「さざ波」を合わせてみました。墨色の地に白揚げだけで波が描かれています。波頭の一部に金糸であしらい刺繍がしてありますが、単なる強調ではなく、陽が波に当たって光が反射しているようにも見えます。

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写真2番目は、一の橋の付下げ「波尽し」を合わせてみました。焦げ茶色の地に白揚げの波です。濃い地色+白揚げの波という点では、上の作品と同じですが、こちらの方が波がさらに意匠化されています。あしらい刺繍は、丸い飛沫部分にされています。

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写真3番目は、花也の付下げ「波に松」を合わせてみました。いちばん上の作品の波の意匠に対し、松や四季花を加えたもの。点々に見えるのは海浜の砂。波の模様はレゴブロックみたいなもので、バリエーションが加えやすいです。鳥を加えれば「波に千鳥」ですしね。

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写真4番目は、花也の付下げ「波の丸」を合わせてみました。波を丸紋にしてみました。帯の桜も丸紋ですから、丸文どうしのシンクロになります。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「竹生島」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。波と兎を合わせた模様は、謡曲「竹生島」のワンシーンに取材したものです。竹生島に渡る舟から見える景色で、月に照らされた波頭が、兎が奔っているように見えるというところです。

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写真2番目は、一の橋の付下げ「丸紋波兎」を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。上と同じ謡曲「竹生島」に由来する模様で丸紋化されたものと思います。しかし似たような模様で、うさぎの周りを花が囲った丸紋は、名物裂である「角倉金襴」に由来するものですから、模様の研究というのは面白いものですね。
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[ 2017/01/05 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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