一の橋の名古屋帯「丸取枝桜」の帯合わせ

第三千六百十四回目は、一の橋の名古屋帯「丸取枝桜」の帯合わせです。

今回の帯は、形式的にカジュアル的な名古屋帯で、中身の模様はフォーマル的な金彩の桜模様です。このような帯は、カジュアルかフォーマルかわからなくて使いづらいとも言えますが、カジュアル要素もフォーマル要素もあって幅広く使えるとも言えます。人生で成功するのは、後者のような考え方をする人ですよね。今回もそんな発想で、紬にも小紋(染めの着尺)にも付下げにも合わせます。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。手描きの蝋染の格子です。綺麗な桜の模様というのは、主役しかできない女優さんのようなもので、パートナーを選ぶのは難しいです。色が綺麗で価値のある加工をしていて、模様に意味がないのが良いですね。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。短冊模様の飛び柄で、金彩の幾何学模様が染められています。これも「色が綺麗で価値のある加工をしていて、模様に意味がない」という基準で選んでみました。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。鮫小紋模様と宝尽くし模様の石畳模様(市松模様)です。色が綺麗という点では、基準から外れるかもしれませんが、桜の帯の微妙な灰桜を引き立てる色を選んでみました。模様に季節や意味はないですが、市松模様や鮫小紋という要素が加わって、個性はありますね。

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写真4番目は、野口の着尺を合わせてみました。横段に干菓子の模様です。「丸取枝桜」は気品がありますが、お高くとまった美人といった感じで、親しみやすさがありません。一方この野口の着尺は、横段の紫はグラデーションで色気がありますし、干菓子の模様は雀や兎もあってかわいらしいです。ルックス担当とバラエティ担当がいるアイドルのグループをイメージしてみました。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。源氏香の総柄です。意味は無いけど、上品で常識的な組み合わせを考えてみました。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは野村さんです。野村さんは手描き友禅の染匠で、型染の小紋は作りません。これは飛び柄の小紋ですが、手描きで作っています。描かれているのは光悦垣で、枝桜に対して意味がつながってるようでもあり、無いようでもあり、ですね。

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写真7番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。青楓です。日本の伝統文様には桜楓というのがありますが、それを着物と帯で作ってみました。楓は青楓なので春秋とも言えません。季節がずれてしまったときに、どうしてもこの桜の帯を身に付けたいという時にどうでしょうか。
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[ 2017/01/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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