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織りだけで模様を表現した女児のお宮参りの着物

第三千六百十回目の作品として、織りだけで模様を表現した女児のお宮参りの着物を紹介します。

お宮参りの着物は、掛け着、熨斗目、お祝い着などいろいろな呼び方をします。掛け着というのは、着ないで掛けるだけだからですね。構造上の特徴は、背縫いが無く背中が1枚の布で出来ていることです。それが普通の着物との最大の違いで、そのために改造しても3歳の七五三までしか使えません。男児の場合は七五三は5歳なので、もう流用はできないわけです。

もう1つの特徴は、たいていおばあちゃんが抱いて、その上に掛けるので、背中が模様の中心になることです。普通の着物は前姿(マエミ+オクミ)が模様の中心になるので、そこが意匠上の大きな違いになります。

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いちばん上の写真は全体です。珍しい織だけで模様を表現したお宮参りの着物です。織というのは、地方の伝統的な紬でもないかぎり、現代では機械で織るわけですから、一定のロットがあります。一方で、少子化でお宮参りの着物も数が売れなくなっていますから、このような織りのお宮参りの着物というのは、企画しにくくなっているはずです。

このような作品を見ると、織りの技術はコンピュータがあるから何でもできるでしょうが、よく企画したなあと感心してしまいます。

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写真2番目は、裾の方の近接です。たとえば、鶴の模様を地紋にした白生地を織って、花嫁の色打掛の下地にしたり、お宮参りの着物を作ったり、ということはできますが、この着物は絵羽になっているために、サイズも模様の位置も決まっていて、お宮参りの着物以外に流用できません。

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写真3番目は、上の方の近接です。徐々に空のかなたに消えていく様子を表現しています。

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写真4番目は、もっと近接です。鶴の模様のパターンは、生地を金糸で埋めるもの、輪郭だけを金糸で表現するもの、陰影をつけるように翼の上面の光の当たる部分だけを金糸で埋めるものの3種類ですね。鶴の向きや大きさはさまざまで、1つの形を繰り返しているわけではありません。ちゃんと絵羽として設計されています。

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写真5番目は、もっともっと近接です。縫い目もちゃんとつながっています。完全にこの作品のために設計されているようです。採算が合うのか、他人事ながら心配になってしまいます。それとも最初、よほど高く売ったのでしょうか。

着る時は、背中に大きめの金糸の1つ紋を入れると良いですね。
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