千切屋治兵衛の付下げ「丸取正倉院模様」(実際に制作したのは藤岡さん)の帯合わせ

第三千六百七回目は、千切屋治兵衛の付下げ「丸取正倉院模様」(実際に制作したのは藤岡さん)の帯合わせです。

今日は龍村の間道で合わせてみます。着物の模様は丸ですから帯は直線にすれば互いに補完し合ってバランスが良いと思います。また今回の着物は、正倉院という格の高いテーマですが、あっさりとした表現で軽さもあります。間道の帯も、名物裂と思えば格が高いですが、縞と思えば粋です。どちらも似た立場でもあるんですね。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海老殻間道手」を合わせてみました。「手」というのは、完全な再現ではないという意味です。「海老殻間道」の本歌はけっこうきつい配色で、この帯は上品に変換されています。青系と茶系が両方並んでいるところが個性ですね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「彩香間道」を合わせてみました。龍村の間道は、じつはすべて名物裂にある間道を参考にしていて、必ず似たものがあります。しかし、この作品のように本歌をたどることができないオリジナルのネーミングをしたものと、本歌を彷彿とさせるようなタイトルを付けたものとがあります。その差はおそらく、すでに高島屋や三越の専用商品として発売されているものがあって、それが名物裂にちなむタイトルがついている時に、それと重ならないように微妙に色の並び方を変え、ネーミングもオリジナルなものにするのだと思います。マーケティング用語でいえば販売チャネル政策ですね。

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写真3番目は、龍村の袋帯「清風間道」を合わせてみました。「彩香」「清風」「郁芳」「ちとせ」のような、綺麗だけど具体的な意味がないタイトルは、本来は名物裂の間道由来のものながら、その名物裂にちなむタイトルはすでに百貨店専用品として使用しているため、やむなく付けているタイトルです。

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写真4番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。着物の地色が焦げ茶色なので、紺系の帯は合わないのではないかと思われましたが、けっこう合っています。それどころか、着物に関しても色に関しても上級者の感じさえします。

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写真5番目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」を合わせてみました。上で成功したので、また紺系を合わせてみました。

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写真6番目は、龍村の光波帯「日野間道手」を合わせてみました。「光波帯」は仕立て上がり名古屋帯のことです。「光波」とは初代平蔵の雅号で、俳句が得意だったので俳号でもあるようです。そのため龍村の一族では「光」の付く雅号を持つ人が多く、「光翔」、「光峯」などがいます。帯端のロゴで見たことがある方もいらっしゃるのでは②でしょうか。

日野間道は、高島屋専用の「平蔵」ブランドと、光波帯のシリーズとにあります。値段は相当違いますけど。
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[ 2016/12/27 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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