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千切屋治兵衛の付下げ「丸取正倉院模様」(実際の制作は藤岡さん)

第三千六百五回目は、千切屋治兵衛の付下げ「丸取正倉院模様」を紹介します。実際に制作したのは藤岡さんです。

手描き友禅の技法の一種である色糊(写し糊)を使った作品です。色糊(写し糊)は、明治時代に広瀬治助(屋号は備後屋)が発明した技法です。それは型友禅を染めるための必須の技法で、そのおかげで千總が百貨店を通して中間層に多色の着物を売りまくり日本を代表するメーカーになりました。

近代になると全国に鉄道が敷設され、各地に地方中心都市が生まれました。そこに三越や高島屋が支店を作り、新たに生まれた中間層に着物を売りました。すべての中間層に行き渡るためには手描き友禅は生産が間に合わず、多色の友禅を型染する必要があったのです。

友禅の糊というのは、染める技法ではなく染めないための技法です。糊を置くことで防染して模様の形を白抜き状態にするのが目的です。御所解模様の小袖をみると、模様は白抜きで、色糸の刺繍で色を加えています。また多色の友禅のばあいは、模様を描いたところに糊を被せて地染めを影響させないようにしています。

色糊というのは、友禅の糊に染料を混ぜるものです。染料を混ぜた糊を生地に置き、その後、糊を洗い流すと染料だけが生地に定着するのです。混ぜるだけのことのようですが、化学染料でないとできないので、江戸時代にはできなかったのです。また従来の糊は染めないためのものですが、色糊は染めるための糊ですから、発想の大転換と言えます。

江戸時代にも型染はありましたが、いちいち藍甕に浸けて加熱などするものですから、多色は染められなかったのです。この色糊の発明により、連続して多色を染め一度に水洗できるようになったのでした。しかし、色糊は型友禅に使われるだけでなく、手描き友禅にも使われます。糊で防染するのではなく染めることができるので、写生的な風景を描いたりするのに便利です。またこの作品のように、糸目糊に染料を入れることで輪郭線を多色に出来るのです。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真2番目は後姿です。

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写真3番目は袖です。

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写真4番目は、もう片方の袖です。

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写真5番目は胸です。
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[ 2016/12/25 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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