一の橋の付下げ「金霞に柳」の細部(実際の制作は倉部さん)

第三千六百一回目は、一の橋の付下げ「金霞に柳」の細部です。実際に制作したのは倉部さんです。

今日は細部です。今回の作品は、柳という1つのテーマで物語的に展開していくことはありません。土佐光起の屏風のように柳に燕や水の流れを加えたりすれば、絵に動きも出ますし、物語性も加わりますが、そういう要素は避けシンプルに徹しています。作品自体が美しいので、余計な要素は要らないのでしょう。芸人さんだといつも何かしゃべらないとギャラがもらえませんが、美人の女優さんならいるだけでギャラがもらえますものね。

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いちばん上の写真は、前姿の上の方にある柳の近接です。マエミとオクミの縫い目にあります。柳の枝の揺らぎと霞のグラデーションが連動して、風が吹いているように感じます。シンプルな図案に見えますが、必要最低限の所作で、空気の動きも表現しているわけです。

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写真2番目は、前姿の上の方にある柳にさらに近接してみました。濃い地の背景に自然に反する装飾的な葉の色のために、舞台の背景のようにも見えます。

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写真3番目は、マエミの下の方にある柳です。

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写真4番目は、後姿にある柳です。背中心の縫い目にあります。

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写真5番目は裏側です。金描きは友禅と違って裏に透らないので、裏から見ると刺繍だけが見えます。この写真を見ると、いつものバラエティに富んだ技法を使っている倉部さんと違って、1つの技法だけで刺繍されていることがわかります。もちろん技法は単純でも1つ1つはとても精緻で上品です。

倉部さんの作品である以上、精緻で上品なのは当然ですから、この作品の意義は配色の上手さですね。

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写真6番目は、「きものSalon」に掲載されている写真風に斜めから撮ってみました。
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[ 2016/12/21 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

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