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高野松山の堆朱の帯留と帯との合わせ方

第三千五百八十五回目は、高野松山の堆朱の帯留と帯との合わせ方です。

蒔絵の人間国宝、高野松山の堆朱の帯留です。蒔絵の人間国宝と言えば、松田権六、大場松魚、音丸耕堂などが有名ですが、高野松山は有名なわりに実物を見たことがある人は少ないのではないかと思います。私も95年にフランスと共同で行われ三越で展示されたた人間国宝展で1度見ただけです。それは熊本県出身であることもあり細川家がスポンサーになっていたので、生活のために作ることが無かったから元々寡作なためです。

そういうわけで、実物を持っている人がいると聞いた時、少々びっくりしたのですが、実際に手にすると素晴らしいです。写真で見ただけでも端正なのはすぐわかると思いますが、実物はそれに加えて華麗という印象です。端正と華麗というのは相反する性質のようですが、本物は両立しているものですね。今日は借り物なので欲しがらないでください。

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いちばん上の写真は、正面から見たところです。まさに端正にして華麗ですね。気品とか優雅とか存在感がある、とか誉め言葉が次々に出て来てしまう。

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写真2番目は、斜めから見たところです。側面の繊細で多層な漆も見てください。手前の魚は尾が微妙に跳ねているように見えます。

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写真3番目は裏側です。留金は18金、落款も良いです。骨董の鑑定サイトではないので、写真は載せていませんが、共箱です。

さて本題の帯との合わせです。私の帯合わせのルールは1つ。作品に敬意があるときは、作者の意図を重視してそれに逆らいません。このばあい黒と金ですから、帯もその延長線上にあるような箔の作品と合わせます。ついでながら作品に敬意が無く、単に道具と考えている時は、正反対の多彩な友禅を合わせ作者の意図を補完したりします。

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いちばん上の写真は、花也の名古屋帯「槇と流水」に合わせています。点々は砂の意味です。作者の意図に逆らわないよう、金彩の濃淡の帯に合わせています。

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写真2番目は、花也の名古屋帯「霞取りに波、琳派風景模様」に合わせてみました。たびたび帯合わせで使っている霞→波→色紙取り→琳派の川の風景模様の順に入れ子構造になった意匠の帯の腹文です。黒と金という配色を守りました。波の模様にして意味もつなげました。

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写真3番目は、上と同じ帯の腹文の反対側の模様です。この帯の腹文は、着る人によって「霞と波」と「琳派の流れのある風景模様」とで選べるようになっています。蛇籠もあって、まさに川の風景模様ですが、魚で意味をつなげています。

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写真4番目は、京正の名古屋帯「瑞葉」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。中井さんの箔なら多少は高野松山の金に対抗できるでしょうか。

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写真5番目は、京正の名古屋帯「霞に波」を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。波だけの作品ですが、安田の糊糸目の技術を見せつけています。
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[ 2016/12/05 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

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