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花也の付下げ「市松取り秋草文」の帯合わせ

第三千五百八十三回目は、花也の付下げ「市松取り秋草文」の帯合わせです。

今日は染めの名古屋帯で合わせてみます。付下げや訪問着には西陣の袋帯が普通ですが、近年、付下げや軽い訪問着に対して、染の帯を合わせることも増えています。昔は「染の着物に織の帯」なんていったものですが、なぜ染に染めを重ねるのが悪いのかと言えば、同質すぎる感じでしょう。それに気を付けて帯合わせをしてみたいと思います。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。友禅と型疋田を併用しています。友禅という技法は絵画性が高いですから、染めの着物に染めの帯を合わせると絵に絵を重ねることになります。その2つの絵が同じテーマなら、同じことを2度ずつ言うしつこい人みたいになってしまいますし、2つの絵が違いすぎるテーマなら、会うたびに反対のことを言う信用できない人みたいになってしまいます。

この帯合わせは、帯が友禅とは言えシンプルな雪輪で、絵画性そのものから逃げています。

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写真2番目は、秀雅で仕入れた堰出しの疋田と江戸刺繍の名古屋帯を合わせてみました。堰出しの疋田とは友禅の糊を1粒ずつ置く疋田です。手描きとはいえ職人さんの完璧な仕事で乱れはないですが、型に比べて微妙な揺らぎがあるのが魅力です。それに江戸刺繍を合わせるのは、かつての千代田染繍の作風で、北秀が健在のころはそのような黒留袖が200~300万円で売っていました。

今はそんなものを買う人も作る人もないですが、そのダイジェスト版が名古屋帯としてよみがえっています。上の雪輪の帯が上手く合ったので、少しだけ絵画性を加えてみました。刺繍によるものなので、本当に少しだけですね。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の塩瀬の袋帯を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。尾形乾山の陶筥に取材しています。金泥と友禅によるもので、こんなものを作れるのは中井さんだけ、と思える作品です。

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写真4番目は、一の橋の名古屋帯を合わせてみました。金の部分は箔、銀の部分は雲母です。後ろにいる動物は角が無いために馬に見えてしまい、馬鹿の帯みたいですが、これはすべて鹿で宗達の下絵をそのまま写しています。馬に見えるのも宗達の責任です。

楓に鹿という定番の組み合わせにしてみました。絵も友禅ではないのでシンプルで、絵に絵を重ねるまでには至っていません。

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写真5番目は、大羊居の名古屋帯を合わせてみました。今日初めて堂々と友禅と友禅を重ねてみました。打たれるとわかっても直球を投げる投手の気持ちです。みなさんも帯合わせをするときに、一か八かやってみる、という経験があるのではないでしょうか。今回は大羊居のパワーでなんとか・・・というところですね。

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写真6番目は、一の橋の名古屋帯を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。月と兎と芒という定番すぎるテーマです。月は滲んでいて、雨が近いのか、しっとりした秋の夜です。シンプルなのに色気を感じるのはそのためでしょうか。
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[ 2016/12/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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