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花也の付下げ「市松取り秋草文」の細部

第三千五百八十一回目は、花也の付下げ「市松取り秋草文」の細部です。

今日は細部を紹介します。今回の作品は、ベージュの地色に対して、焦げ茶色、水色、黄緑色の配色もお洒落ですが、見どころの主役はやはり、糊糸目による線描きです。本来の糸目は染料が滲まないようにする堤防の役割ですから、正確であれば機能を達成するのですが、線描きは「堤防」のような機能が求められているのではなく、絵画そのものです。

すなわち、役割が無いかわり、芸術的であれ、ということですね。綺麗すぎてもプリントに見えてしまったりするわけですから、通常の糸目より線描きの方がハードルが高いです。

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いちばん上の写真は、焦げ茶色の取り方です。

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写真2番目は、水色の取り方です。

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写真3番目は、黄緑色の取り方です。

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写真4番目は、焦げ茶色の取り方の内部です。ゴム糸目と糊糸目の違いですが、ゴム糸目がくっきりしていて、糊糸目が軟らかいなどと書いてあるものもありますが、それは厳密には間違いで、ゴム糸目は誰がやっても綺麗で、糊糸目の方が個性が出る、という方が正解に近いと思うのです。

また色によって浸食の度合いが違います。濃い地色の方が浸食力が強いので、あらかじめ少し糸目を太くしておく必要があります。細い糸目の方が技術的に上手いように思いますが、途切れてしまったら上手いとは言えませんから。

また糊糸目の個性というのは、大まかに3種類だと思います。1つ目は、糊の糸目が細くても擦れないで綺麗というもの、2つ目は、擦れが書道の飛白みたいで綺麗というもの、3つ目は擦れそうで擦れないで綺麗というものですね。花也には、3通りの個性の職人さんが揃っていて、作品のテーマにより使い分けています。

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写真5番目は、水色の取り方の内部です。

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写真6番目は、以前紹介した白揚げの作品の取り方の内部です。図案は同じですが、もしかしたら糸目の職人さんだけ違ったのかも。しかし色による浸食度合いの違いかもしれませんが。
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[ 2016/12/01 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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