千切屋治兵衛の付下げ「吹寄せ」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせ

第三千五百七十四回目は、千切屋治兵衛の付下げ「吹寄せ」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせです。

今日は友禅の名古屋帯を合わせてみます。着物は地紋に刺繍だけで、色も単彩ですし絵画性も高くないので、絵画性の高い友禅の帯を補完的に使ってみます。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の名古屋帯「楓」を合わせてみました。実際に制作したのは野村さんです。糊糸目の手描きの友禅と型疋田を併用したもので、地色が黒いこともあり、時代劇に出てくるお姉さん(じつは隠密)みたいな粋な印象ですね。

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写真2番目は、一の橋の名古屋帯「薬玉」を合わせてみました。重厚な友禅ですが、ほぼ中井淳夫さんの下職を使って作られた作品です。

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写真3番目は、花也の名古屋帯「色紙取りに霞、楓に流水模様」を合わせてみました。霞取りの中に加山又造を思わせる波があり、その中に色紙があり、さらにそれが取り方になって、中に琳派の流水と槇と楓と蛇籠という川辺の模様があるという、マトリョーシカのような構造になった意匠です。

重厚な友禅ですが、これも中井淳夫さんの下職が使われています。中井淳夫さんの遺産は大きいですね。

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写真4番目は、秀雅の名古屋帯「楓取り海浜模様」を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。今回の帯合わせは黄色と黒の組み合わせばかりになってしまいましたが、ここでは水色を試してみました。大松らしい洗練された多色の作品です。1枚の葉の中に世界が納まったような錯覚に陥る意匠です。大きいものの中に小さいものがあったらただの写生ですから、小さいものの中に大きいものがあってこそ意匠ですよね。

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写真5番目は、加賀友禅作家、中町博志の名古屋帯「重陽」を合わせてみました。今回、いちばん気に入っている帯合わせです。中町さんの友禅というのは、職人らしい真面目さを軽く突き抜けて、やはり作品だと思います。これに比べると普通の友禅模様の乱菊は、いくら生懸命描いてあっても地面を這いまわっているだけのような気がします。
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[ 2016/11/24 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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