千切屋治兵衛の名古屋帯「色紙重ね」の帯合わせ

第三千五百五十四回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「色紙重ね」の帯合わせです。

今回の名古屋帯も、紬にも染の着尺(小紋)にも付下げにも合わせてみます。私は紬に着物にも関西の帯を合わせていいと思っていますし、付下げに染めの名古屋帯を合わせるのも結構流行っているからです。今日はまず付下げを合わせてみます。

今回の帯のテーマは「色紙」ですから、形は直線で単純ですから不足気味で、その一方で色は過剰な作品です。そのパートナーとしての着物は、形が過剰で色が不足しているものを選んでみたいと思います。

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いちばん上の写真は、一の橋の付下げ「正倉院鳳凰文」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。縁蓋による金彩と金糸の刺繍による作品です。帯の色紙とは対照的で、形は具象で複雑、色は金彩のみで不足な作品です。

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写真2番目は、一の橋の付下げ「楓芒文」を合わせてみました。遠くから見ても言いたいことが一目でわかるポスターみたいな作品です。私はこういう大きくてシンプルな意匠が好きです。地色はちょっと激しいですけどね。楓は朱色と白、芒は白揚げで、色は赤系しかない感じです。

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写真3番目は、一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」を合わせてみました。グラデーション効果を多用して、全体が夢の中にいるように感じる作品です。それにくっきり四角い色紙の帯をわせ、形の対比を作ってみました。色はどちらも黄緑野趣があって、共通性があります。

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写真4番目は、花也の付下げ「笛袋」を合わせてみました。花也の作品は友禅の糊糸目の美しさを堪能するため、白揚げで色が不足しているものが多いです。これは帯で色を足す帯合わせですが、その一方、着物の地色は帯の雅な色と妙に親和性がありますね。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「色紙取り松竹梅」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。少しの金描きと重厚な金糸の刺繍による豪華な作品です。色以外なんでもあると思える倉部さんの付下げと、色以外ない藤岡さんの帯の組み合わせです。上の倉部さんの帯合わせとの違いは、どちらにも色紙という四角い形の共通性を持たせてみたところです。

人間関係では、共通性があって親近感を感じるばあいと、共通性が無さすぎて魅力を感じるばあいがありますね。帯合わせにも応用できる論理です。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「枝桜」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。縁蓋による金彩と金糸の刺繍による作品です。桜の咲く春は、いろんな花が咲き、若葉が芽吹いて色豊かな季節のはずですが、倉部さんの作品は金のみで色がありません。その色を帯の色紙が補うという帯合わせです。
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[ 2016/11/03 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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