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大羊居の付下げ「薬師遺宝」の帯合わせ

第三千五百五十回目は、大羊居の付下げ「薬師遺宝」の帯合わせです。

薬師寺がテーマの着物ですから、帯のテーマも正倉院御物や法隆寺裂など同時代のものにしてみました。意味で合わせる帯合わせですね。

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いちばん上の写真は、紫絋の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。タイトルは「臈纈・・・」となっていますが、挟纈、刺繍などいろいろな正倉院裂に取材しています。鳥は挟纈にありがちなデザインですね。聖武天皇が使用したものということでテーマ的にはフォーマルでありながら、デザインには軟らかさもあり、使い勝手の良い帯だと思います。いろも金地なので、着物が何色になっても合いますしね。

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写真2番目は、織悦の袋帯「東大寺花文」を合わせてみました。正倉院裂の唐花文を改変なく織り出したものですが、クローズアップしすぎて、本来の副文がメインに、主文は近づきすぎて1/3と2/3しか見えないという非常事態になっています。改変しない代わりクローズアップの仕方が個性になっているんですね。普通の帯の意匠ならば、主文と副文を素直に並べるか、主文にクローズアップして、1つの華文にするかどちらかでしょう。

タイトルで、「正倉院唐花文」というべきところ、わざわざ「東大寺花文」と、持って回ったような言い方をしているのは、意匠登録に備えたものでしょう。一般名では登録できないですから。西陣の帯でズレたタイトルがついているのはみんなそういう理由です。

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写真3番目は、大西勇の袋帯「象樹木文」を合わせてみました。正倉院御物の臈纈の屏風に取材したものです。象と樹木が縦に並んだもので、ほぼそのまま意匠化しています。正倉院の裂は、織物は現代人の目で見ても精緻ですが、臈纈は現代人の目で見ると稚拙な印象です。この帯は、その稚拙な雰囲気を精緻な織りで再現しています。

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写真4番目は、紋屋井関の袋帯「正倉院象唐草文」を合わせてみました。正倉院御物の銀平脱の合子をテーマにしたものです。聖武天皇の碁石入れで、象さんチームと鸚哥さんチームがあるのですが、それがならべてある意匠です。

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写真5番目は、龍村の名古屋帯「木画狩猟文錦」を合わせてみました。正倉院御物の語源の琵琶の撥が当たる部分のデザインに取材した意匠です。元の素材は木の象嵌(木に違う種類の木を嵌め込んで絵にしたもの)で、それがタイトルの「木画」の意味です。

後ろを向いて騎射している人がいますが、鐙の無い時代にこんなことができるのは、パルチアに従属した遊牧民やハンニバルに従属したヌミディアの騎兵ぐらいでしょう。いずれもローマの天敵ですが、ササン朝ペルシアのデザインが唐経由で奈良まで来ているんですね。このデザインは日本人に愛され近世まで繰り返し描かれますが、「韃靼人狩猟図」と変わっています。

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写真6番目は、龍村の名古屋帯「飛鳥間道」を合わせてみました。法隆寺が所蔵する幡「法隆寺小幡」の「幡手」と言われる長く伸びた部分に使われている裂です。これも意図的にズレたタイトルが付けられています。
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[ 2016/10/30 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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