大羊居の付下げ「薬師遺宝」

第三千五百四十八回目は、大羊居の付下げ「薬師遺宝」の続きです。

今日は前姿の模様に近接してみます。

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いちばん上の写真は、マエミとオクミの縫い目辺りにある模様の近接です。この着物は模様のベースは宝相華文で、その上にアイキャッチポイントになる3つの模様が載っています。その1つで、いちばんメインになる模様ですね。正倉院御物にある銀平脱や螺鈿の鳳凰文様に似ていますが、薬師寺のどこにあるのかはわかりません。鳳凰が3本脚になっていますが、生地の合わせが悪いためで、八咫烏ではありません。

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写真2番目は、上の模様にさらに近接してみました。重厚なあしらい刺繍がしてあります。鳳凰が重厚な刺繍で覆われているのは当然ですが、辛子色の背景部分にも刺繍がしてあります。辛子色の部分は背景なのではなく、重要な作品の部分で刺繍で質感を補強しているのでしょう。

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写真3番目は、オクミの模様です。宝相華文はここでは、ぬめっとした曲線になっています。多くは白揚げです。大羊居が鮮やかな多彩でありながら、江戸好みの粋でもあり得るのは、白揚げ部分を上手く混ぜているからでしょう。

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写真4番目は、マエミとオクミの縫い目辺りにある模様のうち、上にある模様の近接です。これは薬師寺などの古寺で出土する瓦片ではないかと思います。あしらい刺繍も豊かで多彩な表現になっています。

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写真5番目は、マエミの模様です。宝相華文の一部ですが、存在感のある花が加えられています。色は抑制的ですねえ。
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[ 2016/10/28 ] 友禅 | TB(0) | CM(2)

はじめまして

美しい。
初日。遡って見せていただきます。
飲み屋で隣の人のバッグのなかの袱紗をたまたま見てしまって声をあげた。お話をしたら遠州流のものでした。細い線の七宝。線が見惚れる三色によるランダムな彩色。
建築設計をしていて茶室も数寄屋もやったことがあるし…やっぱりこういう世界は知らないと損と改めて思って龍村を一覧した流れです。
[ 2017/06/14 01:40 ] [ 編集 ]

遠州七宝(一般名「遠州緞子」)でしょうか

遠州に関係するもので細い線の七宝ということなので、ご覧になったのは遠州緞子の写しでしょうか。龍村裂としては商標登録のため「遠州七宝」とネーミングされています。光波帯といわれるベースの龍村裂は、経錦(もっとも古代の様式で経糸が浮沈して模様を表現する)ですが、遠州七宝はちょっと高級バージョンで、地は間道(縞模様)、七宝の模様は金糸の絵緯糸(えぬきいと、地を形成する糸とは別に模様表現のためだけの緯糸)で出来ています。一見、複雑な市松模様のように見えますが、じつは地の部分は縞模様にすぎず、それに模様表現のための金糸の緯糸が被さっているだけなんですよね。
織物は離れてみると芸術ですが、近接してみると数学の図形の問題なんです。織物は建築に似たところが有りますので、織物を見る機会がありましたらルーペかライトスコープを持ってお出かけください。
[ 2017/06/15 04:10 ] [ 編集 ]

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