第三千五百四十四回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「金彩更紗」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせです。
今日は染めの着尺に合わせてみます。

いちばん上の写真は、藤井絞の着尺を合わせてみました。飛び柄の絞の着尺ですが、絞りの模様の形が、固まる形ではなく広がる形なので、模様の面積が広く感じます。お得な感じですね。

写真2番目は、藤井絞の着尺を合わせてみました。楓模様を全体に配した着尺で、飛び柄でありながら面積を大きく見せかけた上の着尺とは、全然価格が違います。絞りのような手仕事は、仕事量が大きくなれば正直にコストが増えるので、飛び柄の方が安いわけですが、模様の配置でコスパ良く作ることもできるわけです。
ところで、この着尺は楓を絞っているのではなく、楓以外の場所を絞っているんですよ。眺めているとわかってきますね。

写真3番目は、野口の絞の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは森健持さんです。格子模様ですが、その格子が絞りでできているというところに驚きがある作品です。絞るという行為を想像するとわかるのですが、手で摘まむときに花のような丸い形は自然にできますが、直線がいちばん難しいですよね。ただし絞った後に筆で着彩し、染液には浸けていないでしょう。それは難度が高すぎるので。

写真4番目は、岡重の着尺を合わせてみました。輪郭だけに型を使った手挿しの着尺です。笹舟というテーマで、モチーフとしては単衣が良いですね。

写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。紬地で、笹を市松に配した着尺です。

写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。干菓子をテーマに横段に模様を配したものです。横段の境界がグラデーションになっていて、無地部分が色気を感じる紫なので、女性的な雰囲気です。
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