千切屋治兵衛の名古屋帯「金彩霞付更紗」(実際の制作は倉部さん)の帯合わせ

第三千五百三十九回目は、千切屋治兵衛の名古屋帯「金彩霞付更紗」の帯合わせです。実際に制作したのは倉部さんです。

先日紹介した倉部さんの帯の仲間です。先日の帯は、付下げにも染の着尺(小紋)にも合わせましたから、今回も同じように合わせてみます。今日は紬から。

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いちばん上の写真は、菱一のオリジナル紬「つるばみ紬」を合わせてみました。織っているのは小千谷の織屋で、「つるばみ紬同人」という組織になっているようです。経糸が玉糸、緯糸が真綿の手織りの紬です。紫の濃淡の市松ですが、単純な市松ではなく絣のズレが見どころです。

少し昔は、問屋というのは織りの産地で商品を仕入れるのではなく、自分で発注してオリジナルの紬を作って売るのが普通でした。自分のブランドにすることで価格競争を避けていたのです。しかしその場合、売れ残りのリスクも負わなければなりません。今はそういう甲斐性のある問屋は少なくなり、菱一の他には室町の加納などいくつかしかないんじゃないでしょうか。

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写真2番目は、結城小倉の結城紬です。重要無形文化財の要件を満たすものではないですが、真綿の手触りはとても良いです。

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写真3番目は、小千谷の大新織物のシルクアタカスを使った紬を合わせてみました。アタカスというのは、ヨナグニサンと同じまたは近縁の巨大な蛾です。インドネシアでは産業振興として、「シルクアタカス」というブランドでアタカスの野蚕から絹糸を取って世界に販売していますが、これは日本の小千谷紬への応用例です。

日本で野蚕といえば、信州の有明地区の天蚕が伝統的な産地として知られていて、とても高価なイメージがありますが、シルクアタカスは世界的な商品なので、あまり高くないですね。

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写真4番目は、大城広四郎の南風原の紬(琉球絣)を合わせてみました。沖縄県で産する平織の絣のことを「琉球絣」と呼ぶことになっていて、琉球絣の90%は南風原町で織られているそうです。南風原には有名ないくつか工房がありますが、大城姓が多いので、どこまでが親戚かどこから他人かよくわかりません。

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写真5番目は、田中キヨ子の久留米絣「古代物語」を合わせてみました。重要無形文化財の赤いラベルがあるもので、糸の藍染は森山虎雄さんです。四角いデザインですが、手括りの絣らしく少しずつ形が違っているのが良いですね。それも作家の適度な演出で、同じだったら機械織りに見えちゃうんでしょうね。
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[ 2016/10/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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